ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑
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☆パステルを祝う会 PART5☆
《約束のケーキを食べに行こう。》
キーンコーン
カーンコーン
ひとつの鐘を合図に、静まり返っていた廊下が一気に喧騒に包まれる。
「パステル。今日はクラブ行くの?」
鞄に教科書を詰めていると声を掛けられた。
「うん!行くよー。」
顔を上げると帰り支度のすっかり済んだリタの姿があった。
「バイトは?」
「バイトは今日は休み!へへへ!」
そう。
今日のバイトは、わざわざ休みを取ったんだよね。
だって今日は・・・。
「パステル・・・・なんか嬉しそうね?」
リタの言葉に思わずドキリとしてしまう。
「えっ!?そ、そう?」
へ、平常心よ!!
だって、誰にも言うなって言われてるもん!
「うーん。バイトが休みだから・・・・?違うわよね?」
うぅぅう・・・・・。
リタの視線が痛い・・・・。
「えへへー。な、何でもないよ?本当に!なんでも無いって!!」
やだなぁ!なんて誤魔化して笑ってみるけど・・・・。
「何?怪しいわね。パステル、本当に何も無いの?」
疑われてる。
思いっきり疑われてるよ!!
「ナイ!ナイ!本当に何の予定も無いもん!」
「・・・・・ふーん。そう。」
しばらく疑いの眼差しを向けてたリタだけど、私の不自然なまでの『ナイナイ』連呼に検索を止めてくれたようだ。
よ、良かったぁ。
リタやマリーナにばれたら五月蝿いから見つかるなよって注意されてるんだよね。
本当は隠し事なんかしたくないんだけど・・・・今回だけは許して欲しい。
ごめんね!リタ!!
「じゃあさ、パステル。クラブが終わったら一緒に帰ろう?付き合って欲しい所があるのよ。」
「えっ!?」
心の中で親友に謝罪をしていると、思わぬお誘いが。
いつもなら一言目にはOK返事なんだけど・・・。
「あ・・・・。ごめん!今日は寄りたいところがあるから・・・・。また今度でもいい?」
「なんだ。用事があるの?それって、どうしても今日じゃなきゃダメな事?」
「うん・・・。ごめん・・・・。」
あぁあぁー。
リタに嘘つかなきゃいけないなんて!
ううん。
用事があるのは本当なんだけど、その内容が言えないから・・・・結局は辻褄の合わない嘘を付く事になるわけで・・・・・。
「そっか・・・・。じゃあ仕方ないよね。」
良心が痛む。
「リタ、ごめんね?また今度ちゃんと付き合うからね。」
「ううん。いいのよ。実は今日、パステルの誕生日でしょう?だからパーティでもしようかなって思ってたのよ。」
「!!・・・・・リタ・・・・・。」
ちょっと残念。
そう呟いて悲しそうに笑ったリタの顔を見たら、これ以上嘘なんか付いていられなかった。
「リタ!私の為にありがとう!!・・・あのね本当はクラブが終わったらトラップとケーキを食べに行く約束なの。」
「!?トラップと?2人で!?」
トラップごめん!!
きっと、トラップには怒られるだろうけど・・・・こうなったら精一杯謝ろう。
「うん・・・・。実はね・・・・・」
そうなんだよね。
実は今日は私の誕生日2月5日で。
トラップと2人でケーキを食べに行く約束をしてたりする。
クリスマスのときの約束だからって・・・・。
私はリタ達も誘おうって言ったんだけど、トラップは黙ってろって言うんだよね。
何で?って聞いたら、『あいつら何かとうるせぇし、俺とお前の約束だろ?』と言われた。
そう言われればそうだし、わざわざ誘うのも悪いかなっと思って黙ってる事にしたんだけど・・・・。
私の説明をリタは黙って聞いてくれた。
「・・・・ごめんね。最初から隠したりしないでちゃんと説明すれば良かった。」
頭を下げて謝ると、
「そう言うことなら仕方ないわね。いいよ。許してあげる!」
「本当!?」
「うん!トラップのヤツの気持ちも解らなくもないからね!パステル、正直に話してくれてありがとね!」
「ううん!!リタ、本当にごめんね!誕生日パーティも・・・・ごめんね?」
もしかしたら前々から準備してくれてたのかもしれない・・・。
そう思うと申し訳なくって・・・・。
「あら!大丈夫よ!2人でケーキを食べに行くだけでしょう?終わってから私の店に来てくれたらいいんだから!」
「えっ!?終わってからでもいいの?」
「もちろんよ!パステルがバイトを入れてる事も考えてたからね!幸い明日は土曜日だし?パステルの誕生日、盛大に祝うわよー!」
「あ、ありがとうっ!リタ!!」
嬉しい!!
本当に嬉しい!!
ぎゅーっとリタに抱きついてもう一度お礼を言う。
「本当にありがとう!嬉しいよ!楽しみにしてるっ!!」
「うん!任せといて!腕によりを振るうわよ!」
ぽんぽんとリタに背中を叩かれて
「そうだ。ちゃんと、トラップも連れて来てよ?ふふふ・・・・。」
どこかイタズラそうなリタの声が聞こえてきた。
「?うん!わかった!ちゃんと連れてく!」
そうリタと約束して、私は弓道場へと向かった。
********
クラブの帰り道。
空は茜色に染まって綺麗な夕日が出ていた。
「パステルー。行くぞー。」
着替えが終わって部室から出ると、弓と矢筒を持ったトラップが待っていた。
「お待たせー!」
日曜日に弓道の試合があるからね。
もちろん私も弓と矢筒を持っている。
もちろん教科書の入った鞄も。
・・・・・トラップは持ってないけどね。
「トラップって家で勉強してないの?」
「そ。おめぇとは違って勉強しなくってもよゆーなの!」
「えぇー!?うっそだぁ!」
トラップってば授業中もよく寝てるもん。
いつ勉強してんだろう。
でもテストの成績とかは悪くないんだよね。
特に理数系は強い。
「・・・・店。どこにするか決めたのか?」
トラップが視線を反らしながら聞いてきた。
店。
ケーキ屋さんの事だろう。
「うん!前から行ってみたかった所なんだ!すっごく美味いんだって!」
ニコニコしながら雑誌の切抜きをトラップに見せる。
リタとマリーナも絶賛のお店だったから間違いない。
「・・・ふーん。これ、リタの店の近くじゃねぇ?」
「え?そうなの?」
思わず雑誌の地図を覗き込む。
リタはそんな事、一言も言ってなかったけど?
ま。いっか。
近いならその後の移動も楽だしね!
切抜きをたたんでポケットに入れると
「おめぇ。ホールのケーキ丸ごと食べそうな勢いだな。」
けっけっけっ。と意地悪な笑顔のトラップ。
「丸ごとなんて食べれないもん!でも食べたいケーキが4個くらいあるんだよね・・・・。」
真剣に悩んでる私を見て、
「ぶはっ!おめぇー太るぞ!?」
と、いつまでも笑っていた。
もう!本当に失礼なヤツ!
・・・・でも、あの日の約束をちゃんと忘れずに守ってくれてるんだから、本当は優しいんだよね。
トラップって。
これから先、本当に私が『もういいよ。』って言うまで彼は付き合ってくれるのだろうか。
そして、この事をリタが知ってると聞いても約束を果たしてくれるのか・・・・。
とりあえず、ケーキを食べ終わるまでは黙っておこうかな。
えへへへー。
END
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☆パステルを祝う会 PART6☆
《雪だるまと私》
リビングでのんびり暖炉にあたりながら本を読んでいる時だった。
「ぱぁーるぅ!うきだうまさんがよんでうよー!」
「うきだうまぁー!?」
テトテトと部屋に入ってきたルーミィに来客を教えられた。
・・・・んだけど。
誰?
うきだうまって???
「ゆきだるまさんデシ。」
ルーミィの横から黒曜石の様な綺麗な黒目が覗く。
ふわふわのシロちゃんの頭の上には毛糸の帽子がのっている。
きっと外で雪遊びでもしていたに違いない。
今シルバーリーブは例年にない大雪に見舞われていた。
朝起きると、ルーミィとシロちゃんは大喜びだったからね。
「雪だるまさんのこと?」
シロちゃんの助言のお陰で謎が解けた。
「そうだおう!うきだうまさんだおう!!」
なるほど。
さっきノル達が外に雪遊びに行くって言ったから、雪だるまが完成したから見に来て欲しい。
そう言うことなんだな。
それで、『雪だるまさんが呼んでる。』なのね。
ふふふ。
かわいいなぁー!
「わかった。じゃあ雪だるまさんのところまで案内してくれる?」
ルーミィとシロちゃんに案内を頼むと首を横に振られた。
あれ?
ダメなの???
「ダメなんだおう。ぱーるぅひとりでいかなきゃ。うきだうまさんが言ってたんだぁ。」
「そうデシ。雪だるまさんがあったかい格好をして来いって言ってたデシ。」
・・・・・注文の多い雪だるまね。
「そ、そうなの・・・。」
なんか変だなぁと思いながらも可愛い二人の事を疑っても仕方ないしねぇ。
「じゃあさ。どこに行けばその雪だるまさんに逢えるか教えてくれる?」
こうなったら直接雪だるまに聞くのが早いだろう。
私はマフラーとおそろいのニット帽をかぶり、コートを着た。
「わかったおう!こっちらおー!」
そう言って連れて行かれたのは玄関で。
でも家の周りを見渡した限りでは雪だるまらしき人物は見えなかった。
「どこにいてるの?」
そう聞くと、ルーミィは村の外れを指差した。
「あのねぇ。あっちの方にいたんだぁ。」
「あっちにいたデシ。」
シロちゃんもルーミィの言葉に頷く。
「あっちの方に行けばいいの?」
「うん。おっーきな木のよこにうきだうまさんがたってうよ。」
「大きな木の横ね。」
「そうデシ。雪だるまさん、僕たちが『こんにちは』って挨拶したら『オッス!』ってしゃべったデシ。」
「ねー。しおちゃん。」
「ええぇっー!?雪だるまがしゃべったの?・・・オッスって?」
「しゃべったデシよ。」
「うそじゃないもんね。」
「・・・・・・・。」
「ぱーるぅ!はあくいってぇ!うきだうまさんがかぜひいちゃうよぉ。」
「雪だるまさん、寒そうだったデシ。」
うーん。
その心配はないと思うけど・・・。
なんだろう。
普通の雪だるまがあるだけじゃないの?
とにかく行くしかないか。
「じゃあ、行って来るからね。」
そう、2人に声をかけると、
「いってらっしゃーい!!」
「いってらっしゃいデシ!」
元気よく送り出された。
大きな木は確か、この丘の向こう側に立ってた気がする。
私の記憶が間違ってなかったら・・・・・だけどね。
ここらへんは民家もないから人通りもない。
広い野原が広がってるだけなんだけど。
今は雪で覆われている。
静かな丘を登る。
ザク。
ザク。
ザク。
自分の足音だけを聞きながら。
丘を登りきると、一面に開けた雪原が見渡せた。
その奥には森が広がっている。
「あ。いた・・・。」
大きな木の横に確かに雪だるまが立っていた。
下り坂を少し小走りに近づいていく。
ルーミィたちが雪だるまがしゃべるって言うから、もしかしてモンスター?
なんて心配してたけど。
ふふふ。
いらない心配だったみたい。
だって、あそこに立っているのはどこをどう見ても普通の雪だるまだったから。
正真正銘雪で出来た、ザ・スノーマン!
帽子を被ってニンジンの鼻をつけて両手は小枝で出来ていて手袋をはめていた。
変わっているところといえば・・・・。
ルーミィたちに倣って挨拶をしてみる。
「こんにちは。雪だるまさん。お呼びですか?」
「・・・・・・・・・」
残念。
雪だるまからの返事はなかった。
「私になにか御用ですか?」
懲りずに話しかけてみると・・・・
雪だるまの手のひらにとつぜん小包が現れた。
綺麗な黄色のリボンで飾られたその箱は・・・・。
「私にくれるの?」
「・・・・・・・・」
相変わらず返事は無いけど、わざわざ私を呼び出したってことは貰っていいんだよね?
「ありがとう。雪だるまさん。」
私がお礼を言うと、雪だるまさんは一言だけ
「誕生日おめでとう。」
そう、呟いてくれた。
END
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☆パステルを祝う会 PART7☆
《HAPPY BIRTHDAY!》
もうすぐでお昼ご飯が出来そうな時、突然家の前に大きな馬車が止まった。
「・・・・・・・何事?」
「・・・・・・・さあ?」
隣にお玉を持ったまま飛び出してきたクレイに聞いても、何も解決しなかった。
・・・・まぁ、そう言う私も実はペンを握り締めたままだったりするんだけどね。
どこかの王族や貴族が使っているような立派な白馬の4頭立ての馬車だ。
そんな我がパーティとはまったく縁の無い代物が家の前に止まっている。
「なんだよ?人様んちの前に断りも無くいきなり止めやがって!」
毒づきながらトラップも家の中から出てきた。
「わぁーい!!まっしろなおうまさんらぉー!」
「ほんとデシ!」
ルーミィとシロちゃんの後ろからはノルとキットンも・・・・。
ぞろぞろと家の中からみんなが出てきた。
みんな興味津々!
そりゃそうよね。
すると突然、馬車の扉が開いて中から人が現れた。
とても身なりのいいおじさんは、私達を見渡すと嫌な顔ひとつせずにニコリと笑ってこう言った。
「突然の訪問をお許しください。私、リーザ国第一皇女アンジェリカ姫の側近をしております。
ゲイル・オイルソーと申します。どうぞお見知りおきを。」
そして、深々と頭を下げたおじさん・・・・。
「「「「「「「アンジェリカ王女
失礼にも絶叫する私達を特に驚きもせず、ににこやかに見守っているおじさん。
いやいやっ!
おじさんなんて呼んだら失礼だよ!
えー・・・・と、そう!側近のオイルソーさん!
「それで・・・アンジェリカ姫の側近のオイルソーさんがどう言った御用件でこちらに?」
アンジェリカ姫の側近だと知って慌ててお玉を背中に隠したクレイが聞いた。
うん。
バッチリ見られたたから、今更遅いと思うけどね。
「はい。実はアンジェリカ姫に代わりまして皆さまにパーティの招待状をお持ちさせていただきました。パステル・G・キング様は・・・」
「わ、私です!」
突然呼ばれて背筋がピンと伸ばす。
「こちらがアンジェリカ姫よりの招待状でございます。実はアンジェリカ姫直々にこちらにお持ちしたいと仰ってられたのですが・・・・さすがに王に止められまして。」
オイルソーさんは少し困った顔をしながら、私に分厚い招待状を渡した。
アンジェリカ姫なら言いそうだなぁ・・・。
それにしても分厚い招待状だなぁ・・・・王族からの招待状ってこんなものなのかなぁ。
流石だ。
「あのぅ・・・開けても?」
こんな所で開けていいものか一人思案して、結局オイルソーさんに尋ねた。
「ええ!どうぞ。あまり時間もありませんので。」
・・・・時間が無いって・・・?
「えぇっと、じゃあ失礼します。」
リーザ国の紋章を剥がす。
すると中から手紙の束が出てきたから驚く。
「なに!?もしかしてこれ全部、アンジェリカ姫からの手紙なのー!?」
やたら分厚いなぁと思ってたのよ!
「あの姫さん。手紙でもおしゃべりなんだな・・・。」
トラップが横から呆れ顔で覗き込んできた。
「申し訳ございません。よろしければ一番最後の手紙を読んでくださいましたら、用件が伝わるかと思いますので・・・。」
本当に申し訳なさそうなオイルソーさん。
「一番最後ですか?」
「はい。」
言われた通りに一番後ろの紙を一番前に持ってきて読む。
『そうそう!一番大切なことを伝えてませんでしたわ!
実は、リーザ国で私主催のパーティを行いますのよ。
それで是非、パステル達にも参加していただきたいんです。
馬車も一緒に向かわせますから、是非来てくださいね!
パステル達にお会いできるのを楽しみにしていますわ!』
なんとも一方的な・・・・アンジェリカらしい手紙だった。
「んだけ書いといて、肝心な事はそんだけかよっ!?」
トラップの突っ込みに思わず頷きそうになった。
「はい。そう言うことですのですぐに馬車にお乗りいただけますか?」
私が手紙を読んだのを見届けると、変わらないにこやかな笑顔で馬車の扉を開いた。
「え!?今からですか??」
思わず聞き返す。
今、すぐに馬車に乗れって言ったよね!?
「はい。パーティの開催まで時間があまりございませんので、今すぐにでも出発したいのですが。」
んな、メチャクチャな!
「はいはい!時間がございません!ほら皆さんお乗りになってください!」
ぐいぐいとオイルソーさんに背中を押されて、あれよあれよと馬車に乗せられた。
バタンと扉が閉まって、御者席から
「はい!ではみなさん、出発いたしますよー!」
そう言って馬車は走り出した・・・・。
「う、うそ・・・?」
「俺・・・・お玉持ったままなんだけど・・・・。」
「っつーか。昼飯は?」
「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
客車のそんな会話が外には聞こえてないのだろうか。
馬車は無情にも走り出した・・・・。
リーザ国のアンジェリカ王女を目指して。
*********
「パステルー!!お待ちしてましたわー!!!!」
「アンジェリカ王女!!」
ぎゅうぅううううと私に抱きついて来たアンジェリカ王女は本当に嬉しそうに私達を大歓迎してくれた。
「パーティに間に合って良かったですわ!わたくし、ドキドキして待ってましたのよ!」
「ええぇっと。お招きくださってありがとうございます。遠慮なく来てしまったのですが(というよりも、連れて来られて)良かったのでしょうか・・・?」
だって、アンジェリカ姫のパーティってことは回りは、ロイヤルな方達なんだろうし、そんな中に我々が混ざっていいものなのだろうかと思ってたんだよね。
でも、アンジェリカ姫は
「もちろんですわ!だってあなた達は『アンジェリカのお仲間』ではございませんか!この国の英雄ですもの。わたくしのお友達もとても会いたがっていますのよ!」
「はあぁ・・・。それならいいのですが。」
「わたくし、皆さまの為に素敵な服を用意してましたのよ!さっ!早く着替えてくださいね!」
「い、今ですか!?」
もう・・・なんだかずっと驚いてばっかりで・・・・。
「ええ!だって、パーティは今夜ですもの!!」
なんてこった・・・・。
みんなの顔もげんなりしてる。
そりゃそうだよー。
長い間馬車に揺られてたんだよ?
少しゆっくりさせて欲しい・・・・。
でも。
「さっさ!皆さん、そんなボケーっとした顔してどうしたんですの?時間がありませんから急いで身支度をしてくださいな。」
「・・・・もう、俺何も言う気しねぇ・・・・。」
あのトラップにこんな事を言わせるなんて・・・・・流石、アンジェリカ王女。
そして再び私達は言われるがまま、それぞれ連れていかれて、身支度をする事となった。
**********
「パステルー!!素敵ですわ!!やっぱりパステルには気品がありますわね!」
「あ、ありがとうございます。」
そうお礼をいうと、ぐいぐいとパーティ会場へと連れて行かれた。
もう何も言うまい。
重々しい広間の扉が開いて、キラキラと輝く広間が目に入った瞬間。
パン!パン!パン!
いきなりの破裂音に耳を塞ぐ。
何!?
何が起こったの!?
恐る恐る目を開けると、
「パステル、誕生日おめでとうー!!!!」
そこには見慣れた顔が並んでいた。
クレイ、トラップ、ノル、キットン、ルーミィ、シロちゃん。
ここまでは分かる。
だって一緒に来たんだもん。
でも・・・・
リタやマリーナの顔も見える。
「へ・・・?何で・・・?」
「ふふふ!大成功ですわ!パステル、今日が何の日か忘れてません?」
アンジェリカ姫の嬉しそうな顔と会場にいるみんなの顔を見渡す。
「何の日?」
「いやですわ!今日は2月5日。パステル、あなたの誕生日ですわ!」
「そうだっけ・・・?」
「ったく!主役がこれじゃあ、ひと芝居打った俺達がバカみてぇじゃねぇか!」
「トラップの言うとおりですわ!パステル。実はわたくし達はパステルの誕生日を祝う為に集まったのですわ!わたくし主催と言うのは本当ですけどね。」
うふふ。と可愛く笑うアンジェリカ姫。
その後ろに大きく
『パステル誕生日おめでとう!!』
と書かれた垂れ幕が目に映って嘘じゃないと理解した。
「・・・・本当にみんな、私の為に集まってくれたの?」
声が震える。
だってまだ信じられなかったから。
「あったりめぇーだろ!バカ!」
「トラップ・・・・」
「バカはあんたでしょ!パステル!とっても綺麗よ!!誕生日おめでとう!」
「マリーナ・・・」
「パステル。誕生日おめでとう。」
「ノル・・・・」
「おめでとうございます。パステル!」
「キットン・・・・」
「おめでと!パステル!素敵な誕生日パーティにしようね!」
「リタ・・・・」
「ぱぁーるぅ!!おたんじょーびおめれとーだおう!!」
「ルーミィ・・・」
「パステルおねぇしゃん。お誕生日おめでとうデシ!」
「・・・・シロちゃん・・・・。」
「パステル。わたくし、パステルの誕生日を知ったのがつい先日だったんです。それでみなさんにこんなにバタバタとさせてしまって・・・・・申し訳なかったですわ。」
「アンジェリカ姫・・・・いいえ。大丈夫です。」
熱い目頭を押さえて笑顔でお礼を言う。
「パステル?泣くほどいやでしたの?」
アンジェリカ姫の心配そうな顔が覗いた。
「これは・・・・嬉しくって泣いてるんですよ。アンジェリカ姫。素敵な誕生日パーティを開いてくださり、本当にありがとうございます。
みんなに祝ってもらう事が出来て、とっても幸せな気分でいっぱいです!」
相変わらず涙は溢れ出してくるけどいいや!
こんなに嬉しい事はないもんね!
「みんなも!ありがとう!!」
みんなに向けて心からお礼を言うと、嬉しそうな笑顔が広がった。
「よーし!!まずは誕生日おめでとうの歌でも歌うか!」
トラップの元気な声に歓声が上がる。
「わかりましたわ!では皆さん、いきますわよー!!せーっのぉ!」
お城のきらびやかな広間の一室。
少し不釣合いな大合唱が流れてる。
でも。
いいよね!
こうしてみんなの笑顔があるんだもの!
そして、私がこの世に生まれた日をこんなにも祝ってくれる人たちがいるだもん!!
心からひとつの想いが溢れ出る。
私、生まれてきて良かった!!!
「HAPPY BRITHDAY パステル!!」
この日、広間から笑いが絶える事は無かった。
END
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絵チャ開催時のお題SS。
《なにかを食べている誰か。》
「腹減ったぁー!パステル、なんかすぐ食べれるもんねぇ?」
バイトから帰ってすぐにトラップから発せられた言葉。
「おかえりー。お昼ごはんは?食べなかったの?」
今は夕方。
夕食にはまだ早いし・・・何かすぐ食べるものあったかなぁ?
「昼飯、食いっぱぐれちまってよー。何でもいいから食わしてくれ。」
そう言ってトラップはお腹を押さえたままテーブルに倒れこんだ。
今日の朝は寝坊して朝ごはん食べて行かなかったもんね。
そんなトラップのお腹からは
ぎゅうるるうるぅぅ・・・・
ぐぅうううぅううぅぅぅ・・・
と壮絶な音が鳴り響いてる。
「ちょっと待ってて。すぐに作るから。」
そう言って私は台所に立つと、なにがあるか物色してみた。
ルーミィみたいなお腹を抱えたトラップは
「頼む・・・・一秒でも早く食いてぇ・・・。」
と呻いていて・・・。
わわわっ!
お昼の残りは残念ながらルーミィの胃袋の中に全部納まっちゃったしね。
かろうじてライスは残ってる。
よしっ!
「ええっと、コレとコレで・・・。」
取り合えず今あるもので出来るだけお腹の膨れるものを作らないと!
トントントン・・・・!!
パッパッと材料を切って、鍋に放り込む。
ジューー!!
いい音をさせてお肉が焼ける。
同時に美味しそうな匂いが台所に広がっていく。
すると背後から
ぐりゅるるるるるぅう・・・!
きゅるるるるるるぅう・・・!
「や、やばい・・・・匂いで余計に空きっ腹が刺激された・・・。」
「!!もう少しだから!頑張って!!」
「ぐうううぅう・・・・。」
急いでご飯を作りながらトラップを気遣う。
お皿にライスを盛っておかずを添え、最後に生卵をおとす。
「はいっ!トラップお待たせ。出来たよ!」
手早く、ガッツり食べれるように焼肉丼風プレートにした。
ゴクリ!
トラップの喉が鳴る。
「いただきますっ!」
まさに飛びつく勢いで食べ始めたトラップ。
「よく噛まないと喉につっかえるよ?」
そんな注意もトラップの耳には届いてないみたいだった。
夢中で食べきったトラップは、
「だぁー!!生き返った!」
ぷはー!と水を飲み干すと満足げな笑顔で私を見た。
「パステル、サンキュー!よし。無事腹も膨れたしちょっくら飲みに行ってくるわ!」
「はああ?何それ!」
信じらんないっ!
夕方といえど、まだ日も沈んでないのに!?
「約束があんだよ。空っ腹で飲んだら流石にすぐに酔っちまうからな!」
「だからって飲みすぎたらダメなんだからね!?」
・・・・・なんだか酒飲みの旦那を持った奥さんみたいな台詞・・・。
いやだ!
こんな旦那、絶対に嫌!
「じゃなー。」
ご機嫌で出掛けていったトラップの背中を見送りながら、今夜はどんなに飲みすぎても迎えには絶対行かないと心に決めた。
のに・・・・。
心に決めてたのに!!
「ちょっと!!トラップ!こんな所で寝ちゃダメだってばっ!」
「あー?パステルさんじゃあ・・・・ないですか?」
結局、ベロベロに酔っ払ったトラップを担ぐ羽目になっていた。
トラップの足には全く力が入ってなくって、ほとんど私にもたれ掛かってる状況。
重いなぁ・・・。
まったく。
しかも、『パステルさんじゃあ・・・ないですか?』ってなんで疑問系なのよ!?
「ほらぁ!しっかり自分の足で歩く!」
「うーん・・・・無理ぃ。歩けませぇーん。酔っ払ってるんでっ!」
「威張るなっ!」
私の肩に乗せられたトラップの顔からはお酒の匂いがプンプンしている。
もう・・・・・。
何でこんな事になってんのよー。
いっその事、このまま捨てて帰ってしまおうかと思ったけど・・・・流石にそれはね。
夢見が悪そうじゃない?
「・・・・なぁ。パステルさーん?」
だからなんで疑問系なのよ!?
「・・・・なんですか。トラップさん。」
半ば呆れ気味に返事を返す。
どうせ酔っ払っているトラップは、明日になったら今日の事を綺麗に忘れてるんだ。
適当に相手しとこ。
「今日のぉ・・・・なんだっけぇ。どーんぶり?」
「どーんぶり???ああ!焼肉丼の事?」
「そぉー。そぉー。どーんぶりっ!あれ!ウマかった!」
「・・・・そりゃどうも。」
日頃、トラップからこんな素直に『美味しかった!』って言われた事がないから、すっごく意外だった。
酔った勢いかな?
トラップの意外なお褒めの言葉に嬉しくなる。
ふふふ。
この調子なら、普段は聞けないトラップの本音が聞けるかもしれない。
そう思うと悪戯ゴコロに火がついた。
「トラップは私の料理、美味しいと思う?」
「んー?おぉー思うぞー。パステルさんの作るメシはウマイっすよぉー!」
千鳥足のトラップがフラフラしながら答えてくれる。
ぷぷぷっ!
これは相当、酔ってるよ!
私は必死に笑いをかみ殺しながら
「じゃあ、今一番食べたいものは???」
ニヤニヤ笑いながらトラップにそう聞くと、トラップはくるりとこっちを向いた。
トラップはなんて言うんだろう。
まだ酒が飲みたいとか言ったらこのまま置いて帰ってしまおうかと思いながら。
「ん?」
トラップを担いだままの私と視線がぶつかる。
次に目に映ったのはトラップの赤毛で・・・・・・
カプリ。
かじられていた。
私の首が・・・・・・トラップに。
「へ・・・?トラップ?」
痛くはないけど、何で私がかじられてるの?
一瞬の出来事に呆然となる。
「ごっそーさん。」
トラップはそう言うと再び私の肩に自分の頭を置いた。
そして、
「はーい、パステルさん?ちゃんと家まで連れて帰ってくださーい。」
そう言ってフラフラと歩き出す。
「ちょっと!私は食べ物じゃないんだからね!?目の前にあるからって、なんでもかじんないでよ。」
トラップにつられて家路へと向かう。
私がよいしょ!とトラップを担ぎ直して歩き出すとトラップが耳元で呻いた。
「うぅー。今日は飲みすぎたぁー。ハラ減ったぁー。」
「はいはい。もう少しだから頑張って歩いてください。トラップさん。」
酔っ払いの相手なんてするもんじゃないよね。
だって会話も行動も支離滅裂。
しまいにはかじられるんだよ?
次何かしたら、置いて帰るんだから!
「パステルさーん?わたくし、酔っ払ってなんかいませんよぉー。でっもぉー。君に酔ってまーすっ!」
「・・・黙れ。酔っ払いっ!!」
END
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《なにかを食べている誰か。》
「腹減ったぁー!パステル、なんかすぐ食べれるもんねぇ?」
バイトから帰ってすぐにトラップから発せられた言葉。
「おかえりー。お昼ごはんは?食べなかったの?」
今は夕方。
夕食にはまだ早いし・・・何かすぐ食べるものあったかなぁ?
「昼飯、食いっぱぐれちまってよー。何でもいいから食わしてくれ。」
そう言ってトラップはお腹を押さえたままテーブルに倒れこんだ。
今日の朝は寝坊して朝ごはん食べて行かなかったもんね。
そんなトラップのお腹からは
ぎゅうるるうるぅぅ・・・・
ぐぅうううぅううぅぅぅ・・・
と壮絶な音が鳴り響いてる。
「ちょっと待ってて。すぐに作るから。」
そう言って私は台所に立つと、なにがあるか物色してみた。
ルーミィみたいなお腹を抱えたトラップは
「頼む・・・・一秒でも早く食いてぇ・・・。」
と呻いていて・・・。
わわわっ!
お昼の残りは残念ながらルーミィの胃袋の中に全部納まっちゃったしね。
かろうじてライスは残ってる。
よしっ!
「ええっと、コレとコレで・・・。」
取り合えず今あるもので出来るだけお腹の膨れるものを作らないと!
トントントン・・・・!!
パッパッと材料を切って、鍋に放り込む。
ジューー!!
いい音をさせてお肉が焼ける。
同時に美味しそうな匂いが台所に広がっていく。
すると背後から
ぐりゅるるるるるぅう・・・!
きゅるるるるるるぅう・・・!
「や、やばい・・・・匂いで余計に空きっ腹が刺激された・・・。」
「!!もう少しだから!頑張って!!」
「ぐうううぅう・・・・。」
急いでご飯を作りながらトラップを気遣う。
お皿にライスを盛っておかずを添え、最後に生卵をおとす。
「はいっ!トラップお待たせ。出来たよ!」
手早く、ガッツり食べれるように焼肉丼風プレートにした。
ゴクリ!
トラップの喉が鳴る。
「いただきますっ!」
まさに飛びつく勢いで食べ始めたトラップ。
「よく噛まないと喉につっかえるよ?」
そんな注意もトラップの耳には届いてないみたいだった。
夢中で食べきったトラップは、
「だぁー!!生き返った!」
ぷはー!と水を飲み干すと満足げな笑顔で私を見た。
「パステル、サンキュー!よし。無事腹も膨れたしちょっくら飲みに行ってくるわ!」
「はああ?何それ!」
信じらんないっ!
夕方といえど、まだ日も沈んでないのに!?
「約束があんだよ。空っ腹で飲んだら流石にすぐに酔っちまうからな!」
「だからって飲みすぎたらダメなんだからね!?」
・・・・・なんだか酒飲みの旦那を持った奥さんみたいな台詞・・・。
いやだ!
こんな旦那、絶対に嫌!
「じゃなー。」
ご機嫌で出掛けていったトラップの背中を見送りながら、今夜はどんなに飲みすぎても迎えには絶対行かないと心に決めた。
のに・・・・。
心に決めてたのに!!
「ちょっと!!トラップ!こんな所で寝ちゃダメだってばっ!」
「あー?パステルさんじゃあ・・・・ないですか?」
結局、ベロベロに酔っ払ったトラップを担ぐ羽目になっていた。
トラップの足には全く力が入ってなくって、ほとんど私にもたれ掛かってる状況。
重いなぁ・・・。
まったく。
しかも、『パステルさんじゃあ・・・ないですか?』ってなんで疑問系なのよ!?
「ほらぁ!しっかり自分の足で歩く!」
「うーん・・・・無理ぃ。歩けませぇーん。酔っ払ってるんでっ!」
「威張るなっ!」
私の肩に乗せられたトラップの顔からはお酒の匂いがプンプンしている。
もう・・・・・。
何でこんな事になってんのよー。
いっその事、このまま捨てて帰ってしまおうかと思ったけど・・・・流石にそれはね。
夢見が悪そうじゃない?
「・・・・なぁ。パステルさーん?」
だからなんで疑問系なのよ!?
「・・・・なんですか。トラップさん。」
半ば呆れ気味に返事を返す。
どうせ酔っ払っているトラップは、明日になったら今日の事を綺麗に忘れてるんだ。
適当に相手しとこ。
「今日のぉ・・・・なんだっけぇ。どーんぶり?」
「どーんぶり???ああ!焼肉丼の事?」
「そぉー。そぉー。どーんぶりっ!あれ!ウマかった!」
「・・・・そりゃどうも。」
日頃、トラップからこんな素直に『美味しかった!』って言われた事がないから、すっごく意外だった。
酔った勢いかな?
トラップの意外なお褒めの言葉に嬉しくなる。
ふふふ。
この調子なら、普段は聞けないトラップの本音が聞けるかもしれない。
そう思うと悪戯ゴコロに火がついた。
「トラップは私の料理、美味しいと思う?」
「んー?おぉー思うぞー。パステルさんの作るメシはウマイっすよぉー!」
千鳥足のトラップがフラフラしながら答えてくれる。
ぷぷぷっ!
これは相当、酔ってるよ!
私は必死に笑いをかみ殺しながら
「じゃあ、今一番食べたいものは???」
ニヤニヤ笑いながらトラップにそう聞くと、トラップはくるりとこっちを向いた。
トラップはなんて言うんだろう。
まだ酒が飲みたいとか言ったらこのまま置いて帰ってしまおうかと思いながら。
「ん?」
トラップを担いだままの私と視線がぶつかる。
次に目に映ったのはトラップの赤毛で・・・・・・
カプリ。
かじられていた。
私の首が・・・・・・トラップに。
「へ・・・?トラップ?」
痛くはないけど、何で私がかじられてるの?
一瞬の出来事に呆然となる。
「ごっそーさん。」
トラップはそう言うと再び私の肩に自分の頭を置いた。
そして、
「はーい、パステルさん?ちゃんと家まで連れて帰ってくださーい。」
そう言ってフラフラと歩き出す。
「ちょっと!私は食べ物じゃないんだからね!?目の前にあるからって、なんでもかじんないでよ。」
トラップにつられて家路へと向かう。
私がよいしょ!とトラップを担ぎ直して歩き出すとトラップが耳元で呻いた。
「うぅー。今日は飲みすぎたぁー。ハラ減ったぁー。」
「はいはい。もう少しだから頑張って歩いてください。トラップさん。」
酔っ払いの相手なんてするもんじゃないよね。
だって会話も行動も支離滅裂。
しまいにはかじられるんだよ?
次何かしたら、置いて帰るんだから!
「パステルさーん?わたくし、酔っ払ってなんかいませんよぉー。でっもぉー。君に酔ってまーすっ!」
「・・・黙れ。酔っ払いっ!!」
END
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《HAPPY VALENTINE!》
昨日からある言葉が頭から離れねぇ。
「特別なチョコだからねこれは。」
そう言ってチョコを作っているパステルの言葉。
特別。
それはパステルの中で特別な存在であるということなのだろう。
「はぁああー。何だよ特別って。」
村はずれの俺の特等席。
大きな木にもたれて昼寝をしにきたのに・・・・寝られない。
村にいれば親衛隊なる奴らに付きまとわれて、昼寝どころじゃねぇ。
しかも今日はバレンタインデー。
俺はあんまり甘いものが好きじゃねぇし、正直他の奴からチョコなんか貰っても嬉しくもねぇ。
だからこんな人の来ない村はずれに昼寝をしに来たんだが・・・。
あいつの顔がちらつく。
毎年律儀に手作りチョコをくれるあいつだ。
ま。もれなくパーティの全員に配られるものだが。
それでも嬉しいんだから・・・・・・いいんだ。
でも今年のバレンタインはただでは済みそうに無かった。
そう。
あいつのあの一言で俺は複雑な心境の真っ只中だ。
「だぁああっ!クソッ。寝れねぇよ!」
あいつ・・・・・パステルについに、特別だと想う相手が出来たというのだろうか。
寝食を一緒にして長い。
あいつにそんな素振りがあればすぐに分かるほどに。
特に変わったところは無かったと思うんだが。
2月の冷たい風が俺の長い髪と頬をなでていく。
そろそろ体も冷えて昼寝どころじゃない。
「帰るかなー・・・・」
・・・・あんまり帰りたくねぇ。
今あいつに会ってもいつも通り話せるか自信がなかったから。
「あっー!!こんな所にいたー!!」
顔を上げるとパステルが息を切らせて走ってきた。
嬉しそうに。
「・・・・・あんだよ。」
俺の前まで走り寄ってきたパステルの顔をまともに見ることが出来ないで、俺は少し俯き加減に聞く。
「もうー。トラップの事ずっと探してんたんだからね。」
特別ってなんだ。
そう聞きたい気持ちで俺の心はいっぱいだ。
でも・・・・・。
「なんか用か。」
聞けない。
「はい!これチョコレート!特別にトラップ仕様なんだからね!」
にっこりと笑顔で差し出されたチョコよりも俺の気持ちはパステルの言葉に注目していた。
「・・・・・特別?」
ずっと、聞きたいと思っていたこと。
それがパステルの口から出てきた。
「そ!このチョコレートは特別なんだからね。トラップ、甘いのあんまり好きじゃないでしょ?だからビターで作ったんだよ。」
パステルが昨日言ってた特別の意味。
「・・・・あははは!」
突然笑い出した俺を不思議そうに見つめるパステル。
「・・・・どうしたの?一体。」
「くっくっく・・・。そう言う訳か。だっはっはっは!アホらしー。」
ついには腹を抱えて涙を流して笑い出した俺をパステルの冷ややかな視線が突き刺さる。
「トラップ大丈夫?こんな寒い所で昼寝なんかするから風邪でも引いた?」
不思議そうな顔のパステルから差し出されたままのチョコをひょい。と受け取る。
「サンキュ!」
ニッと笑って受け取った俺を見てパステルはまだ心配そうだった。
「本当に大丈夫なの?・・・てか、なんでこんな寒い所で昼寝してたの?」
「あー・・・・。村の中じゃ親衛隊奴等がうるせぇーからな。」
「なるほど。家にも押しかけてたからねー。」
「やっぱりな。」
早めに逃げ出して正解だ。
「でもさ。みんな一生懸命作ってくれたんだから受け取ってあげてもいいんじゃないの?」
パステルのお人好し発言に呆れる。
「バーカ。んな欲しくねぇ奴から貰っても嬉しくねぇの。」
「そう言うもんなの?」
「そう言うもんなの!」
「・・・・・ふーん。」
よくわかんないや。パステルの顔にそう書いてある。
コイツは・・・・・・。
「じゃあなんで私のチョコは毎年受け取ってくれるの?」
「・・・・俺の話聞いてたか?」
「え?うん。聞いてたよ?」
「じゃあ俺がなんて言ったよ。」
「えーと。欲しくない奴から貰っても嬉しくないって・・・・。」
「んで俺はお前のチョコをどうしたよ?」
こいつの鈍感が治る薬とかあれば買いに走るのにな!
「サンキュ・・・って受け取った。」
「つまり?」
「つまり?」
「なんでそこで聞き返すんだよっ!?」
「えぇっー!?なにー?どういう事なの?」
いちいち付き合ってらんねぇ。
「あー。さみっ!帰るぞー。」
「ちょっと!トラップー!?ねぇ!どういう事なの!?」
「そう言うことなの!」
今年のバレンタインは俺の分だけ特別だって事で取り敢えず嬉しいから許してやるよ!
後ろからパステルが走って追いかけてくる。
俺の特別が。
HAPPY VALENTINE!
トラパス万歳vvvv
END
戻る
《パステルのお願い》
今、我が家は爆笑の渦に包まれていた。
誰もが涙を流し、腹を抱えてのたうち回っている。
俺一人を残して。
もう一度言ってやる。
パーティ全員が大爆笑だぞっ!?
真剣に依頼をこなしたのに、なんで笑われるんだよっ!?
「お前ら・・・・・。コレのどこが可笑しいんだよっ!ふざけんなよ!特にパステル!お前、あんだけ頼み込んどいて最後に爆笑ってどう言う事だっ!?金輪際、おめえのお願いなんか聞いてやらねぇからな!!」
事の発端はそう。
あいつのお願いからだった。
「トラップ!一生のお願いなの!私を助けると思って手伝って!!」
勢いよくパチン!と頭の上で手を合わせて深々と俺に頭を下げる、わが意中の相手。
ダイニングのイスに片膝を立てて頬杖をついたまま、俺はチラリとそいつに視線を向ける。
「い・や・だ。ぜってぇーヤだからな、俺は!」
同情も思いやりもねぇ俺の言葉にパステルは
「そんなぁ・・・。」
と泣きそうな顔を上げた。
んな顔しても俺は騙されねぇ。
「そう言うことはクレイにでも頼めばいいだろ。」
面倒な事はあいつの得意分野だろーが。
「お願いよートラップ!相手の人も是非トラップにお願いしたいって言ってるの!」
ねっ!?と上目遣いで必死にお願いしてくるパステルに、心が一切揺らがないかと言えばノーだ。
だが、俺の決心は硬い。
「相手がどう言ってようが、俺には関係のねぇこった。おめえもホイホイそんな依頼、受けてくんじゃねぇよ。」
バッサリとパステルの頼みを切り捨ててこの場から逃げるべく、俺は席を立った。
「そんな冷たい事言わないでよぉ。ねっ?トラップしか頼める人がいないんだもん。」
「・・・・・・・・。」
俺の後を追いかけてくるパステルを無視してダイニングを出る。
正直、進展の無い押し問答にも飽きてきた。
しかし俺のそっけない態度に引く事も無く、パステルは俺の後を追いかけてくる。
「印刷屋のご主人にも、今回の依頼人にも頼まれたんだもん。嫌だなんて言えなくって・・・。」
こいつの事だ2人掛りで頼み込まれたんだろう。
日頃世話になっているパステルとしては断り切れなかったのは想像しやすい。
でも。
それとこれとは別だ。
世話になっているのはこいつであって俺じゃねぇ。
なにしろ、今回の依頼を俺は断じて受けたくねぇ。
例え、こいつに頼まれたとしても。
「トラップ。そのう・・・お礼も少しは出るし?すぐ済むよきっと!だから・・・」
俺を逃がすまいと、腕をがっしり掴んだままパステルは離す様子は無い。
その腕は魅力的でも、依頼内容には魅力を感じねぇ。
謝礼の金額を聞いて余計に。
「少しだあっ!?500Gって子供の小遣いかよ!んなはした金で俺様に頼もうってのが間違ってんだよ!」
「おやぁ。2人でこんな所で何をしてるんですか?」
いきなり、ガチャリと玄関のドアが開いてキットンが帰ってきた。
「そ、それが・・・。」
パステルがしょんぼりとキットンに説明をしようとすると、いきなりキットンに遮られてしまった。
「ああぁあっ!思い出しましたー!パステル。そう言えば印刷屋のご主人が例の依頼の謝礼、間違えてましたって言ってましたよ!そうでした!そうでした!何か忘れていると思ったんですけど、パステルのそのボケッとした顔を見たら思い出しましたよっ!」
「・・・・・・・・。」
チラリと隣を見ると、すっごく複雑そうなパステルの表情があった。
そりゃそうだよな。
「なんだよキットン。こいつが俺に断りも無く勝手に受けてきた依頼だろ?」
パステルの怒りを静めるべく、話を逸らす。
が・・・・。
「おや。トラップがあの依頼を受けるんですか?私はてっきりクレイだとばっかり思ってましたよ。依頼人の目は節穴じゃないんですかねぇ。」
「・・・うっせぇぞ、キットン。」
イラッとくるキットンの発言に凄んでやる。
「もうっ!キットンはいつも一言多すぎなの!で?謝礼は本当は幾らだったの?」
「ええ。最初パステルには500Gと言っていたみたいですが、本当は5000Gの間違いだったみたいです。」
「「5000G-!?」」
「はい。」
「ウソ!そんなにくれるのっ!?ちょっと!これは受けるよね!?5000G全部トラップにあげるから!」
「バカ!あったりめぇだ!」
「じゃあトラップ、依頼を受けてくれるのね?」
キラリとパステルの表情が輝く。
そして俺の寂しい懐にも希望の光りが輝きだした。
5000Gが手に入るとなっちゃぁ、俄然とやる気が沸いてきた。
「おうよ!その依頼、俺が引き受けてやるっ!」
「ありがとう!トラップ!!」
パステルにも感謝されて気分は最高だ!
「よっしゃあぁっ!トラップ様の男のプライドに賭けて、この雑誌のモデル依頼、完璧にこなしてやるぜ!」
*******
そんな経緯で受けたこの依頼。
確かに5000Gはしっかり頂けたし満足で依頼を終えたはずだったのに・・・・・。
この仕打ちには納得いかねぇっ!
まだ笑い転げているパーティメンバーに俺の怒りは頂点に達した。
「お前らいい加減にしろよっ!」
バンッ!とテーブルを叩くと一瞬、笑い声が止まった。
止まってパーティメンバーが一斉に俺の顔を見つめる。
ふぅ。・・・・やっと収まったか?
「・・・ぷ!」
「ぶぶっ!」
「ぐふっ!」
「だはっ!」
「くくくっ!」
「ぷー!」
俺の顔を見た瞬間、全員が一斉に吹き出した。
「「「「「「だっはっはっはっはっはっ!!」」」」」」
再び爆笑の渦。
「おーまーえーらぁー!!」
「あはははっ!不思議とトラップの顔と雑誌を交互に見るだけで笑いがこみ上げて来るんだよ!」
「いやいやぁ!よく撮れてると思いますよ?でもモデルがねぇ。ぐふふふふふっ!!」
「トラップ格好いい。でも・・・・どうしてか笑わずにいられない。くっくっく。」
「とりゃーがこんな格好してるの変なんだおぅー!だから笑ってあげるんだー!」
「トラップあんしゃん格好良いデシよ!でもこんな真面目な顔したトラップあんしゃんはなんだか可笑しいデシ。」
「トラップ!本当に格好良いよ!似合ってるしね!でもやっぱりみんなが言う通り、いつものトラップと違うからなんだか違和感がありすぎちゃって・・・・。ほらっ!トラップの性格もよく知ってるから余計・・・ね?今回の依頼、受けてくれて本当にありがとうね!お陰で今月の雑誌、めちゃ売れなんだって!印刷屋のご主人も感謝してたよ?」
「うっせぇー!!お前ら言いたい放題言いやがって!!俺はもう二度とモデルの依頼なんか受けねぇからなっ!!」
家中に俺の絶叫が響き渡る。
「ええっー!?また次回もお願いしますって頼まれちゃったよ、私!」
パステルの勝手な言い分にもブチ切れだ。
「知るかっ!クレイにでもやらせとけっ!」
そうだ!最初っからクレイにやらせとけば良かったんだよ!
くっそうー!!5000Gに目が眩んだばっかりに。
「ぐふふふっ!解ってないですね。クレイがモデルをしてもはまり役なので誰も笑えないじゃないですか!」
こいつは・・・!
本当に一言二言多いんだよっ!!
「俺は笑いを取るためにモデルをしたんじゃねぇんだよっ!!!!」
こんな家出て行ってやる!
家出だっ!
玄関に向かう俺の背中に意中の女性が声を掛けて来た。
「あ!トラップ。夕食には帰って来てよ?」
END
トラップが虐げられてる。(笑)
んで、パーティに爆笑された問題の『トラップモデル写真』
ご覧になりたければどうぞ。
ちなみに、みいはとりさんを『正装してればトラップも格好良く見える魔法』にかけるべく、必死に描いたんですけど。
描き終わって冷静に見たら自然と笑いが込み上げ来た。爆笑!!
無理無理!!ww
面白すぎるもん!!
だからパステル達の気持ちがよく解る。
うん。
ワラエルvvv
→『正装モデルトラップ』
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《特別な人》
「トラップ。出来ましたよ!例の薬です。」
いきなりキットンに差し出された小さな飴玉。
「何がだよ。」
例ってなんだよ?
薬なんて頼んでねぇし。
第一、そんな怪しい薬誰が飲むかっつうの!
「一ヶ月ほど前に言いに来たじゃないですか。鈍感が治る薬が欲しいって。」
「鈍感・・・・?あっ!」
思い出した。
それは、今日から一ヶ月も前の話。
******
「なあ、キットン。」
その日、俺は気まぐれでキットンに話しかけた。
「・・・・・なんですか。今忙しいんです。」
こっちをチラリとも見ずに、机に向かって何かを調合しているキットン。
ま、返事があるだけ今日はマシか。
「例えばさぁ。鈍感が治る薬とか作れねぇの?」
冗談9割、本気1割。
本当にあればいいと思ってるわけじゃねぇけど、もしも・・・と考える。
あいつがもしも鈍感じゃなければ、どうなっていたのだろう・・・と。
「鈍感・・・・ねぇ。あなたはそんな薬に頼りたいと本気で思っているのですか?」
キットンは試験管を目線の位置に掲げて、少し振りながら呟いた。
俺を試すような言い方のキットンにも、今は腹が立たねぇ。
「んー・・・。いや、なんとなくそう思っただけ。」
本当にそう思っただけだ。
キットンにそんな薬を作って欲しいと頼みに来たわけじゃねぇから。
「そうですか。では邪魔なので出て行ってくれませんか?」
・・・・・冷てぇ奴だな。
「わぁーったよ。」
キットンに聞いてもらって、俺の気も済んだし?
今日は素直に出て行ってやるよ。
この話は今日限りでお終いだ。
きっと、キットンの奴も数分後には忘れているだろうしな。
******
パステルからバレンタインのチョコを貰った後、キットンに呟いた俺の愚痴。
キットンの奴、覚えてたのか。
「今日は丁度ホワイトデーですし、パステルのプレゼントに使ってみてはどうですか?」
怪しく差し出された薬は、どう見ても綺麗な飴玉にしか見えなかった。
「それであいつの鈍感が治んの?」
嘘くせぇ。
「多分ですけどね。即効性はありますが、持続時間は数分だと思います。」
数分・・・か。
数分あれば十分に鈍感が治ったかどうか、試す時間には十分だ。
「ふーん。」
キットンから飴玉を受け取って一応確認を取る。
「死んだりしねぇよな。」
「毒薬じゃないんですから、死んだりなんかしませんよ!失礼な!」
キットンは心外だ!と、プリプリ怒りながら去っていった。
ま。せっかくだし?
いっちょ試してみるか?
「パステル、これやるよ。」
握り締めたままだった飴玉をパステルに差し出す。
「私に?」
自分の部屋で小説を書いていたパステルに
「ほら。今日はホワイトデーだろ?」
そう、もっともな理由を付けて押し付ける。
「あっ、そっか。ありがとう!」
疑う事もなく、素直に受け取るとそのまま口に入れた。
「あまーい!!不思議な味だけど美味しい!ありがとう。トラップ!」
にこりと嬉しそうに笑うパステルを真っ直ぐに見つめる。
「なぁ、パステル。」
「ん?なあに?」
さて。
効果が現れるか否か。
「バレンタインの時、俺の為に特別なチョコを作ってくれて嬉しかった。」
キョトンとした顔のままのパステル。
その横で机に腰を下ろす。
「ビターチョコの事?」
「そ。自分が特別だと思ってる奴からの特別扱いだったからな。」
「特別・・・・」
俺の言葉を一人、口の中で繰り返したパステル。
このまま「何が特別なの?」とでも言われれば、薬の効き目は嘘になる。
だが。
静かにパステルの瞳が大きく見開かれ、その口から発せられたセリフは。
「私がトラップの特別・・・・って事?」
「っ!!」
通じたっ!?
一気に俺の胸が高鳴る。
嘘だろ!?
本当に鈍感が治ったのかよ!?
ドキドキと五月蝿い心臓を押さえつつ、落ち着けと自分に言い聞かせる。
でも・・・
俺の想いがついに伝わったのかと思うと、胸の奥から熱く込み上げてくる感動は抑える事が出来なかった。
素直に俺の胸に沸く「嬉しい。」という感情。
秘かに想い続けた年月を思うと、それだけで胸が一杯だった。
やべ・・・。
泣きそうだ。
パステルはさっきよりも赤みを帯びた頬と、少し潤んだ瞳で俺を見つめている。
「トラップ・・・それって、トラップが私の事を・・・きゃっ!」
最後まで聞かずにパステルの体を引き寄せ抱きしめた。
そして耳元で伝える。
「好きだ。」
ぎゅっと唇を噛んでたった一言。
ずっと、胸に仕舞ってきた想いを口にする。
言ったと同時に、俺の目から一粒の雫がこぼれた。
ダサいと思う。
格好悪りぃ。
男が泣くんじゃねぇよ。
いろんな想いが交錯しながらも、決して曲がらない俺の心。
それは、
こんなにもパステルが好きだと言う気持ち。
想いを口にしただけで涙がこぼれる程、俺はこいつが好きなんだ。
大切にしてきた想い。
いつの間にか、こんなにも大きく育った感情。
「トラップ・・・・」
腕の中のパステルが優しく、俺の名前を呼ぶ。
「トラップ、私、今までどうして気付かなかったんだろう。不思議なくらいトラップが好き。
知らない間に私もトラップが特別になってたみたい。」
そう言ってパステルの腕が俺の背中へ回る。
きゅっ。
優しく抱きしめられた。
目頭が熱い。
グッと我慢しても、再び静かに涙がこぼれた。
今度は止まることなく。
ただひたすら溢れ流れて行く。
大切なパステルへの想いと共に。
END
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☆二次小説部屋☆
今までの二次創作SSをUPしてます。
下に行くほど新しいです。
*短編SS*
朝日と夕日と
朝に太陽と
トラップの厄日前編 / 後編
冒険者カードシリーズ クレイ編
冒険者カードシリーズ トラップ編
振り向いて!《200HITお礼》
真夜中の散歩
いつも君をフレームイン!《300HITお礼》
おちょこみょーり
最後に想う人《400HITお礼》
仮面舞踏会
守り抜くもの《500HITお礼》
99パーセント《600HITお礼》
結婚しようよ!《700HITお礼》
トラップの好きな人《800HITお礼》
どっちが勝つ?《900HITお礼》
トラップのラブレター《真菜さんへ》
おとーさんと弟子《1000HITお礼》
特等席《1000HITお礼》
手のひらの魔法《和稀さんへ》
癒えぬ傷跡 / 続編《2000HITお礼》
青と緑の似合う人《とりさんへ》
クリスマス・イブ
Merrry Christmas!
虎トラブルトラップ!!
トラップよ大志を抱け!《3001キリリクまるりさんへ》
トラップよ大志を抱け!反省会
パステルはぴば!《迷子姫》
パステルはぴば!《ある朝の出来事》
パステルはぴば!《助手席の眠り姫》
パステルはぴば!《スパルタも遺伝?》
パステルはぴば!《約束のケーキを食べに行こう!》
パステルはぴば!《雪だるまと私》
パステルはぴば!《HAPPY BIRTHDAY!》
何かを食べている誰か。
HAPPY VALENTINE!
パステルのお願い《とりさんへ》
特別な人(ホワイトデー)
かわらぬこの時を(4月1日ネタ)
トラップ誕生日企画(選択肢型ss)
恋せよ青春!《7777キリリクしぐさんへ》
れんげの花が映る時《トラップ誕生日企画キリリク》
ホラーハウスからの挑戦状
君と歩む未来
love letter《パステル誕生日ss》
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