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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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《君と歩む未来》



「あ、あのっ!ここはどこですか!?」


夏の終わりを迎えたシルバーリーブは、今日も平和な朝を迎えた。


……はずだった。


「つーか。お前が誰だよ!人様の家に勝手にあがってんじゃねーぞ!」
目前の少女はおれの言葉にビクッと飛び跳ね、小さな声でこう言った。
「す、すみません…でも…気が付いたらここに居たんです…」


珍しく日の出の時間に目が覚めたおれが部屋を出ると部屋の前に11、2
歳くらいの女の子が独り、心細気な顔で佇んでいた。
そして開口一番が最初の台詞。
その少女の不安気な瞳がある人物と重なる。



……似てる。



『あいつ』に。



今でも時々見かけるあの印象的な瞳。
不安や絶望、孤独を纏った人間の瞳。
本当は綺麗な真っすぐな瞳なのにな…。
「あのなぁ!人に物を聞く時はまず自分から名乗るのが礼儀だろうが!そ
んな事もあんたの両親は教えてくれなかったのかよっ!?」

最後のセリフを言った途端、急に女の子の顔から血の気が引いた。
小さな体も微かに震えているのがわかる。


あん?


おれ、んなにマズイ事言ったか???
それにしてもコイツは以前どこかで会った事がある気がするんだが……。

既視感???

違う。
本当に会って喋った事がある。
早朝の侵入者。
不審人物な少女の行動に目を光らせながらも、頭の隅で必死に考える。
そんなおれを僅かに警戒しながら少女が口にした答え。

「勝手にあがってすみません。でも本当に気が付いた時にはここに居たん
です……。あっ!!あのっ…!私、泥棒じゃありませんからっ!!」
必死に恐縮したかと思えば両手を振って弁明を始めたり。
何つーか。
ますます『あいつ』に似てる。
「ぶぶっ!んな事は分かってんの!おめえが泥棒だった日には、おれ、盗
賊辞めてるぜ?」
くっくっくっ!と噛み締めて笑う。
目の前の少女は突然笑い出したおれの様子を、ただキョトンとした顔で見
ていた。



それだけで十分だった。



「おめえの名前、当ててやろうか?」
小さな少女の顔を覗き込んでニヤリと笑う。
不思議そうな表情のままおれを食い入る様に見つめるはしばみの瞳。




「パステル・G・キング」



大きな瞳がさらに見開かれて今にもこぼれそうだ。
「す、凄い!!どうして私の名前を知っているんですか!?」
白い頬を蒸気させて興奮して詰め寄るパステル。
「んあ?……秘密」
謎が多い状態でベラベラ喋るのは得策じゃねぇ。
ランランと目を輝かせていたパステルの瞳に落胆の色が浮かぶ。
そんな表情ひとつひとつがおれの過去の記憶を呼び覚まして行く。


4年…?いや。5年前か?
おれらが出会った頃のパステルがどうしてか今、目の前にいる。
まだまだ幼さの残る少女。
今よりも短いハチミツ色の髪。
そして、グンと小さくなった身長はおれの胸ほどだ。



コイツ…こんなに小さかったんだな。



一気に懐かしさで胸がいっぱいになる。
「あ、あのぅ…?」
黙り込んだおれを不思議そうに覗き込んで、不安そうに見上げるその瞳に
写る19歳のおれ。
ズールの森で助けた時もそんな顔してたな…。
「わりぃ。わりぃ。おれはトラップだ。おれの事は知ってるか?」

おれの質問にフルフルと首を横に振る。
つまり、まだおれと出会う前のパステルってことか?
「おめぇ、今幾つだ?」


この質問の返答によって、おれの今後の対応は大きく変わるだろう。
願くは…と横切った願いは虚しく。
「14歳です」
パステルはそう、呟いた。




「………そっか」




残酷なまでの絶望が覆う。
きっと、両親を亡くた直後くらいだろう。
さっきの震えの理由が解る。



…わりぃ。



おれは知っている。
おめえのその瞳を。


助けてやる事も救ってやる事も慰める事も出来なかった子供だったおれと
クレイ。


毎晩、孤独と恐怖と絶望にうなされ泣き苦しむパステルをクレイと2
人、見守る事しか出来なかったあの頃。
朝になると元気に起き出すパステルに何度、胸を締め付けられただろう。

そのパステルが目の前にいる。


よく見ると泣き腫らした目元が辛い。


「ま。立ち話もなんだし?座ってはなさねぇ?」
そう言って庭のベンチに案内する。
早起きの小鳥たちが朝日を浴びて元気に飛び出していった。
黙って素直におれに付いて来たパステルをベンチに座らせる。
その隣にどすん!と座るおれに、パステルの食い入る様な視線が突き刺さ
る。

「……なに?」
言いたい事があるならどうぞ?と促す。
「あ!あのっ!トラップさんは私の事、ご存知なんですよね?」
必死の形相。
ま。当然だよな。
「トラップでいい。その堅苦しい敬語も要らね。
で、質問の答え。ああ、おれはおめえを知ってる。
今はガイナにジョシュアっつう父親の助手と2人で暮らしてるんだ
ろ?」
あんぐりと見開いた目と口。
ったく。間抜けな顔
「は…はい。」
「だあら敬語。いらねぇって。おめえに敬語で話されるのも変な感じだし
な」
「???はい…じゃない。う、うん。わかった。でもどうしてそんなに私
の事知ってるの?トラップは私がここにいる訳も知ってるの?」
今にも泣きそうに両目を涙で溜めたパステル。
思わずため息が漏れる。
「どうしておめえがここに居るのか。
それはおれにも解らねえ。でも、おれはパステルの事を知ってるから多
分、大丈夫なんじゃねぇかと思ってる。」
おれの説明が理解出来なかったのか、不思議そうな表情で
「つまり、どういう事?」
と首を傾げた。
その仕草に頬が緩む。
「大丈夫かぁ?バステルさん、脳みそ入ってますー?」
グリグリと低い頭を撫でてやると、パステルから抗議の声があがった。
「ちょっ!?トラップ?やめてー!」


なんだろな。この感情は。



愛しい。



「ま。とにかくすぐにおめえはガイナに戻れるって事」
「本当!?トラップ!!」

パッと花が咲く。
本当に泣いたり怒ったり笑ったり、忙しいヤツだな、コイツは。
「だいじょーぶ!だから落ち着けって。
それまでのあいだ、暇つぶしに話でもしよーぜ?」
ニッといつもの笑顔を向けるとパステルもいつもの笑顔で
「うん!ありがと!トラップ!」
と元気に答えた。
そんなバステルにおれは敢えて、この質問をした。
「なぁ…パステル。おめぇ今、幸せか?」



スッと目の前から笑顔が消える。




「……あんまり…」




解り切っていた答え。




「だよな……」




ぎゅっと噛み締めた唇。
その努力も虚しく涙がこぼれ落ちた。





「どうしてこんな事になっちゃったんだろう……毎晩考えるけどわからな
いの。これからどうすればいいのか。
私、独りで生きていくのかなぁ。
考えただけで寂しくって…真っ暗で…何も見えないの……」

ボロボロと大粒の涙をこぼしながら漠然とした不安に押し潰されそうな小
さな心。



でもおれは知ってる。




おめえの心はそんな闇に負けない事を。





「パステル。5年後もおめえは独りで泣いていると思うか?」



優しく語りかける。



静かに顔を上げたパステルは静かに首を横に振った。



わからないのだろう。




その小さな体を優しく抱き締める。





「……パステル。過ぎてしまった過去は誰にもどうする事は出来ない」



再びバステルの嗚咽が聞こえてきた。
だから諦めろって言うんじゃない。
だから歩めと伝えたい。




「大切なのはこれからどうするか。だ。
パステル。おめえが失ったものは大きいだろう?」
腕の中で黙ったまま、コクンと小さく頷く。





「でも、おめえの中にその大切なものはまだ、残ってるよな?」
再び黙ったまま頷く。






「その大切なもの全部、抱きしめて生きていけ。おめえなら出来る。
それがおれの知っているパステル・G・キングだから」




服の上から伝わる体温。



ぎゅっとしがみついた小さな体。



震えるその肩を


とん。


とん。


と叩いてやる。



不意にバステルの体が発光し始めた。
突然の出来事に驚きの表情で固まるパステルを見て、全てを理解した。


「パステル、帰る時間みたいだな」
おれの発言にショックを受けたのか、形の良い眉毛を歪ませた。
「トラップ……」
そんなパステルを鼻で笑ってやる。
「あんだよ?帰りたかったんじゃねえーの?けっけっけっ。ガキンチョは
さっさと家に帰れっつーの!」
瞬間、パステルの頬が膨らむ。
でも……それも一瞬。
やっぱり眉毛を歪ませて。
今度は笑って見せた。


「ありがとう…トラップ!私。頑張ってみるよ!」


「おうっ!」


互いに笑顔で別れる。



すぐに出逢う未来に向けて。



どんどんパステルの影が薄くなる。
あと少し。
「トラップ!!また…また会えるよね!?」



見慣れたはしばみの瞳が揺れる。




「ああ。おめえが自分の足で歩き出したらすぐだ」



最後の言葉はパステルに届いたのだろうか。


でも。


届いて無くても問題無い。




「あれー!?トラップ珍しいね。こんなに早起きしてるなんて」
二階の窓から明るいはしばみ色の瞳が朝日を受けてキラキラと輝いてい
た。





「やっぱ、おめえはすげぇーわ」






辛い過去も





消してしまいたい誤ちも







諦め、捨てることは簡単だろう







でも







全てを抱えて生きていけたら








その未来はきっと








胸を張って歩く自分がいるだろう








自分の足で歩んでいけ








パステル。








END

なげーわっ!!!w
夜中に書きたくて。
何かを書きたくて。
書いたらこんな感じになりました。
元は以前呟きで

トラパスで年齢操作で攻めの片思いメインな作品を6時間以内に6RT
されたら書(描)きましょう

こんなのを診断で出しまして。
色々考えてたですよ。
結局私の読み通り6RT行かなかったので、お蔵入りになる予定だったの
ですが、折角だし?
書きたいし?
書かせていただきました。
(設定無視してますがw)
14歳パステルは自分の夢の中でタイムトラベルしてますwwwww
本文に書き切れなくってすみません。
でも満足v
うわっ!汗
3時だっ!!!
ね、寝ます!お休みなさーい。

ここまでお付き合いくださってありがとうございますvvvv

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