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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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☆パステルを祝う会 PART1☆

《迷子姫》


e9311563.jpg













「寒いなぁー。」
思わずそう呟くと、吐き出された白い息はそのまま空へと消えていった。

寒くて当たり前。
だってここは2月のドーマなんだから。
外に出れば一面の雪景色で、街中いたるところで雪かき作業を見る事が出来た。

いつもの如く、今回もトラップの実家にお世話になってるんだけどね。
お世話になってる身としてはなにかお手伝いしたいじゃない?
少しでもトラップのお母さんの助けになりたいから。
そう言って一人でお使いをかって出たんだけど・・・・・。

なんてことは無い。

現在進行形で迷子。

きっとトラップが起きてたら間違いなく止められたと思うけど、幸か不幸か彼はまだ布団の中だった。
「おっかしいなぁ・・・。ちゃんと地図見てたのに・・・。」
トラップのお母さんに書いてもらった地図をもう一度見つめてみる。
ううん。
もう何度も見直してるもん。
そろそろ穴が空いてもおかしくないと思う。

「間違ってないと思うんだけど・・・。ここはどこなんだろう・・・。」

買い物も済んで家に帰るだけなんだけど、地図の通りに行ってもトラップの家は見えてこない。
むしろ周りの景色もさっきと違ってきて、広い広い雪原が広がっている。
どこを見ても真っ白なんだもん。
ここらへんは雪かきもされてないみたいで、今歩いている場所が道なのかさえ解らない。
雪かきがされてないって事はもちろん、人通りも無い。


「パステル?」
「え・・・・!?」
いきなり声を掛けられて驚いて振り返る。

「やっぱりパステルじゃないか!こんな所でどうしたんだ?
・・・・ってまさか、また迷子だったりする?」
一瞬トラップかと思って振り返るとそこには、クレイのお兄さんのえーと・・・確か・・・。
アルテアさんが一人で歩いてきた。
「あっ・・・!こ、こんにちは!!」
ペコリ!と頭をさげて挨拶するとかっこいい笑顔で少し意地悪そうに
「クレイのヤツから聞いてたけど、本当によく迷子になるね。」
と、くっくっく。と笑いながら私の顔を覗き込んできた。
うっひゃー!!
そんなに近づいてきたら余計に緊張するじゃないのー!
「す・・・・すみません。」
「どうして謝るの?」
「・・・迷うつもりは無いんですけど、気がついたらいつも迷子になっちゃうんです・・・。」
いつもトラップ達には迷惑かけてるもんね・・・。
迷子?って聞かれると謝るのが私の癖になってるのかも。
「ふーん?俺はパステルが迷子になってくれて嬉しいけど?」
「・・・へ?う、嬉しいんですか?」
男前の考える事はよく解らない・・・・。
ポカーンとアルテアさんの顔を眺めていると、
「うん。嬉しいよ?こうしてパステルと2人っきりになれたからね。」
そう言ってパチンとウインクを飛ばしてきた。
うきゃーぁ!かっこいいー!!
そんな事言われたら、世の中の女の子みんな迷子になっちゃうよ!!
「あはははー。ありがとうございます。そう言ってもらえると気が楽になります。」
きっと気を利かせてそう言ってくれたんだろう。
そう思ってお礼を言うと
「え?そこ笑う所なの?もしかして冗談だと思ってる?」
不思議そうに私の顔を覗き込んでくる。
だから近すぎですってばぁ!
「ええぇぇぇっ!?冗談じゃないんですか?」
「ぶっ!あはっはっはっ!!本当に可愛いなぁパステルは!」
「いやっいやっ!全然可愛くないですから!」
「俺もパステルとパーティ組みたかったなぁ!このまま掻っ攫ってもいい?」
「はいっー!?」
目がグルグルしてきた!
気が付くと、私はアルテアさんの腕の中にいて。
だ、抱きしめられてる!!??
「あっ!あのっ!?アルテアさん・・・?」
何が起こってるのー?


「・・・そんなに殺気立って後ろに立たないでくれる?」


「そいつから離れろ。」
「なんでお前に命令されなきゃいけないのかなぁ?ねぇ。パステル。」
「ト、トラップ・・・?探しに来てくれたの?」
相変わらず抱きしめられたままの私からはトラップの姿は見る事は出来ない。
「離れろっつってんだろ。」
「せっかくパステルと二人っきりだったのにね。・・・仕方ないなぁ。パステルはトラップの所に戻りたい?」
もしも、戻らないって言ったらアルテアさんにどこに連れて行かれるのか・・・。
「えーと・・・すみません。戻りたいです・・・。」
「そっかぁ。」
少し残念そうな表情で私から少し身を引くと
「俺、パステルに振られちゃったなぁ。」
なんて言い出すではないか。
「振って・・・!?振ってないですよ!!そんな!恐れ多いです!!」
アルテアさんの爆弾発言を力一杯否定すると、
ぱっと笑顔になって
「良かった!じゃあ今度はお邪魔虫の居ない時にデートしようね!」
ほっぺに『ちゅっ。』と衝撃がきた。
「「えええぇえええー!!??」」
トラップの絶叫と私の絶叫が重なる。

「そうそ。パステルもうすぐ誕生日なんだろ?」
「えぇぇえーと。そ、そうでしたっけ?」
「あははっ!うん。そうみたいだよ?これ、俺からのプレゼント。」
きらりと光ったソレは・・・


「うりゃあぁあああぁあー!!!!」
私の目に留まることなく、トラップによってキラキラと光る雪原の中へと飛んでいった・・・・。
「ちょっと!!トラップなんて事するのよ!?アルテアさん!すみません!!」
「トラップ・・・おまえなぁ・・・。あー。パステルは気にする事ないよ?」
「で、でも!!」
トラップってば、なんて失礼な事するのー!?
「パステル、本当に良いんだ。その代わりに必ずデートしてね?」
「は、はいっ!!私でよければ必ず!!」
「こらっ!?パステル!?」
「うるさいっ!トラップは黙ってて!」
「くっくっく・・・トラップ、ばぁーか。自業自得だ。じゃ!パステルまたね!約束だからね!」
「はい!約束します!本当にすみませんでした!」
「アルテアッ!お前ワザとだろっ!?汚ねぇーぞ!」
アルテアさんに向かって怒鳴り散らしてるトラップを軽く無視しながら走り去っていく。
「あ!パステルー!!」
雪の中を走り去っていくアルテアさんが振り返って私の名前を呼んでる。
「はい!どうしたんですかー?」


「誕生日、おめでとう!!」


ほんわか胸の中が暖かくなる。
「あ、ありがとうございます!!」
「じゃあねー!」
そう言って素敵な笑顔を残していった。
「・・・・・帰るぞ。」
「あ。トラップ迎えに来てくれてありがとね。」
「んなことはどーでもいい。パステル、あいつとデートなんかすんじゃねぇぞ!?」
「はぁ?何言ってんの?誰のせいだと思ってるのよ!?」
「うっせぇー!今度あいつに付いてってみろ!ただじゃすまねぇぞ!?」
「何?お金取られるって事?」
「アホかぁっ!!!!」

END

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