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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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《守り抜くもの》



買い物帰りの私はルーミィと手を繋いで、楽しい会話をしながら家路についていた。
すると突然、ズールの森の方から、ドドドドドッ!!!と地響きが聞こえてきた。
何事かと思ってルーミィと振り向くと、そこには目の色を変えたモンスターたちが大量に押し寄せていた。
シルバーリーブの村は大パニックに陥っていて、逃げ惑う人々と襲い掛かるモンスターで村はめちゃくちゃだった。
あらゆる物をかじりながら進むネズミ型のモンスター・・・・チャグデスだ。
一気に胃の底が冷える。
う・・そ・・・・・・・そんな・・・。



「ぱーあるぅ!こあいよー!!」
私の手をぎゅっと握り締め、可愛い顔を恐怖に歪めたルーミィを見て我に帰る。
「ルーミィ!逃げるよ!!!」
他のパーティのメンバーは家にいるはずだった。
とにかく家まで無事に帰りつかなきゃ!!
チャグデスの行進はすぐ後ろに迫っている。
このままじゃ飲み込まれてしまう!
ルーミィだけでも絶対、助けなきゃ!!
そう決心して、ルーミィを抱きかかえようとした時だった。
8c7d9fbd.jpg




















「ぱぁーるぅうぅぅぅぅっ!!!」
ルーミィの悲鳴が聞こえて、しまった!と思ったときにはすでにルーミィの小さな手は、私から離れていた。
私とルーミィの間を、チャグデスが土煙を上げながら進んでいく。
あっという間にルーミィの頭は見えなくなってしまった・・・。
「ルーミィ        !!!!」
私の馬鹿!!何で手を離したの!?
必死にルーミィを探す私にも容赦なく襲い掛かるチャグデス。
でもそんな事はどうでもいい。
私は、小さな小さなルーミィの手を離してしまった。
何よりも一番に守ろうと心に決めていたあの手を!
「ルーミィー!!」
何度も呼び続ける。
ルーミィ!!お願いだから無事でいてっ!!!




「・・・お・・・い!」

「パ・・テ・・・!」

「起きろ!パステル!!」

バチンと耳元で音がして飛び起きる。
「・・・・へ?な・・・に・・?」
目の焦点が合わない。
でもそんな事よりも、ルーミィを助けなきゃ!!
「ルーミィ!!」
そう叫んだ私の肩は、がしっと捕まえられて動けなかった。
「パステル!落ち着けって!」
この声はトラップだ。助けにきてくれたの!?
一気にピントがあって、目の前にトラップの顔が映る。
「トラップ!!ルーミィが・・・あれ?」
頭の視界もハッキリした私は異変に気づく。
「ここどこ?」
トラップに聞くと
「どこって、おめぇの部屋だろ?」
と呆れ顔で答えられた。
本当だ。私の部屋だった。
どういうことなの?首を傾げてる私にトラップは腰を下ろして説明してくれた。

つまり、私は夢を見てたんだよね。
トラップは私の部屋から叫び声が聞こえて、様子を見に来てくれたらしい。
泣きながらうなされている私を起してくれた・・・という訳。
なんだぁ、全部夢かぁ。良かったぁ。
安堵のため息を吐く。
「トラップ起してくれて、ありがとう。」
お礼を言うと
「ふん。変な時間に寝ると夢見が悪いって言うからな。そのせいだろ。」
と彼なりの優しさをみせてくれた。
彼も解ってるんだ。
私にとってこの秋の風を感じる季節、どうしても忘れられない事があることを。

ぽろぽろぽろ。
トラップの優しさに涙がこぼれた。
「ひっく・・・ひっく・・・」
泣き出した私の背中をトラップが優しく撫でてくれる。
それだけで安心した私は、心に仕舞って置くはずだったさっきの夢の恐怖を吐露していく。
「む、村にチャグデスが来て、ひっく。・・・その行進に飲み込まれて私、ルーミィの手を離しちゃった・・。ひっく。
必死に探したけどルーミィは見つからなくて・・・守れなくて・・・あんな思い、二度としたくない!!うわぁあぁぁああ!!」
小さな子供のように泣きじゃくる私に、
「そんな時は俺も一緒に探してやるから。パステル1人で抱え切れなかったら、俺がちゃんと助けてやる。だからもう心配すんな。わかったか?」
優しいトラップの言葉に、ただただ、うんうん。と頷く。
そうだ、私が困ってる時いつも助けてくれるんだよね、トラップは。
安心したのと、泣いて疲れたのでトラップの腕の中で再び、眠りに落ちてしまった私。
次はきっと楽しい夢を見れるだろう。



おしまい。

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