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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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絵チャ開催時のお題SS。



《なにかを食べている誰か。》




「腹減ったぁー!パステル、なんかすぐ食べれるもんねぇ?」

バイトから帰ってすぐにトラップから発せられた言葉。
「おかえりー。お昼ごはんは?食べなかったの?」
今は夕方。
夕食にはまだ早いし・・・何かすぐ食べるものあったかなぁ?
「昼飯、食いっぱぐれちまってよー。何でもいいから食わしてくれ。」
そう言ってトラップはお腹を押さえたままテーブルに倒れこんだ。
今日の朝は寝坊して朝ごはん食べて行かなかったもんね。
そんなトラップのお腹からは

ぎゅうるるうるぅぅ・・・・
ぐぅうううぅううぅぅぅ・・・

と壮絶な音が鳴り響いてる。


「ちょっと待ってて。すぐに作るから。」
そう言って私は台所に立つと、なにがあるか物色してみた。
ルーミィみたいなお腹を抱えたトラップは
「頼む・・・・一秒でも早く食いてぇ・・・。」
と呻いていて・・・。
わわわっ!
お昼の残りは残念ながらルーミィの胃袋の中に全部納まっちゃったしね。
かろうじてライスは残ってる。
よしっ!
「ええっと、コレとコレで・・・。」
取り合えず今あるもので出来るだけお腹の膨れるものを作らないと!
トントントン・・・・!!
パッパッと材料を切って、鍋に放り込む。
ジューー!!
いい音をさせてお肉が焼ける。
同時に美味しそうな匂いが台所に広がっていく。

すると背後から

ぐりゅるるるるるぅう・・・!
きゅるるるるるるぅう・・・!


「や、やばい・・・・匂いで余計に空きっ腹が刺激された・・・。」
「!!もう少しだから!頑張って!!」
「ぐうううぅう・・・・。」
急いでご飯を作りながらトラップを気遣う。
お皿にライスを盛っておかずを添え、最後に生卵をおとす。
「はいっ!トラップお待たせ。出来たよ!」
手早く、ガッツり食べれるように焼肉丼風プレートにした。

ゴクリ!

トラップの喉が鳴る。
「いただきますっ!」
まさに飛びつく勢いで食べ始めたトラップ。
「よく噛まないと喉につっかえるよ?」
そんな注意もトラップの耳には届いてないみたいだった。
夢中で食べきったトラップは、
「だぁー!!生き返った!」
ぷはー!と水を飲み干すと満足げな笑顔で私を見た。
「パステル、サンキュー!よし。無事腹も膨れたしちょっくら飲みに行ってくるわ!」
「はああ?何それ!」
信じらんないっ!
夕方といえど、まだ日も沈んでないのに!?
「約束があんだよ。空っ腹で飲んだら流石にすぐに酔っちまうからな!」
「だからって飲みすぎたらダメなんだからね!?」
・・・・・なんだか酒飲みの旦那を持った奥さんみたいな台詞・・・。
いやだ!
こんな旦那、絶対に嫌!
「じゃなー。」
ご機嫌で出掛けていったトラップの背中を見送りながら、今夜はどんなに飲みすぎても迎えには絶対行かないと心に決めた。




のに・・・・。
心に決めてたのに!!

「ちょっと!!トラップ!こんな所で寝ちゃダメだってばっ!」
「あー?パステルさんじゃあ・・・・ないですか?」
結局、ベロベロに酔っ払ったトラップを担ぐ羽目になっていた。
トラップの足には全く力が入ってなくって、ほとんど私にもたれ掛かってる状況。
重いなぁ・・・。
まったく。
しかも、『パステルさんじゃあ・・・ないですか?』ってなんで疑問系なのよ!?
「ほらぁ!しっかり自分の足で歩く!」
「うーん・・・・無理ぃ。歩けませぇーん。酔っ払ってるんでっ!」
「威張るなっ!」
私の肩に乗せられたトラップの顔からはお酒の匂いがプンプンしている。
もう・・・・・。
何でこんな事になってんのよー。
いっその事、このまま捨てて帰ってしまおうかと思ったけど・・・・流石にそれはね。
夢見が悪そうじゃない?


「・・・・なぁ。パステルさーん?」
だからなんで疑問系なのよ!?
「・・・・なんですか。トラップさん。」
半ば呆れ気味に返事を返す。
どうせ酔っ払っているトラップは、明日になったら今日の事を綺麗に忘れてるんだ。
適当に相手しとこ。
「今日のぉ・・・・なんだっけぇ。どーんぶり?」
「どーんぶり???ああ!焼肉丼の事?」
「そぉー。そぉー。どーんぶりっ!あれ!ウマかった!」
「・・・・そりゃどうも。」
日頃、トラップからこんな素直に『美味しかった!』って言われた事がないから、すっごく意外だった。
酔った勢いかな?
トラップの意外なお褒めの言葉に嬉しくなる。
ふふふ。
この調子なら、普段は聞けないトラップの本音が聞けるかもしれない。
そう思うと悪戯ゴコロに火がついた。
「トラップは私の料理、美味しいと思う?」
「んー?おぉー思うぞー。パステルさんの作るメシはウマイっすよぉー!」
千鳥足のトラップがフラフラしながら答えてくれる。

ぷぷぷっ!
これは相当、酔ってるよ!
私は必死に笑いをかみ殺しながら
「じゃあ、今一番食べたいものは???」
ニヤニヤ笑いながらトラップにそう聞くと、トラップはくるりとこっちを向いた。
トラップはなんて言うんだろう。
まだ酒が飲みたいとか言ったらこのまま置いて帰ってしまおうかと思いながら。
「ん?」
トラップを担いだままの私と視線がぶつかる。
次に目に映ったのはトラップの赤毛で・・・・・・




カプリ。




かじられていた。
私の首が・・・・・・トラップに。
「へ・・・?トラップ?」
痛くはないけど、何で私がかじられてるの?
一瞬の出来事に呆然となる。
「ごっそーさん。」
トラップはそう言うと再び私の肩に自分の頭を置いた。
そして、
「はーい、パステルさん?ちゃんと家まで連れて帰ってくださーい。」
そう言ってフラフラと歩き出す。
「ちょっと!私は食べ物じゃないんだからね!?目の前にあるからって、なんでもかじんないでよ。」
トラップにつられて家路へと向かう。
私がよいしょ!とトラップを担ぎ直して歩き出すとトラップが耳元で呻いた。
「うぅー。今日は飲みすぎたぁー。ハラ減ったぁー。」
「はいはい。もう少しだから頑張って歩いてください。トラップさん。」
酔っ払いの相手なんてするもんじゃないよね。
だって会話も行動も支離滅裂。
しまいにはかじられるんだよ?
次何かしたら、置いて帰るんだから!




「パステルさーん?わたくし、酔っ払ってなんかいませんよぉー。でっもぉー。君に酔ってまーすっ!」
「・・・黙れ。酔っ払いっ!!」





END


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