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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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《パステルのお願い》


今、我が家は爆笑の渦に包まれていた。
誰もが涙を流し、腹を抱えてのたうち回っている。
俺一人を残して。
もう一度言ってやる。
パーティ全員が大爆笑だぞっ!?
真剣に依頼をこなしたのに、なんで笑われるんだよっ!?
「お前ら・・・・・。コレのどこが可笑しいんだよっ!ふざけんなよ!特にパステル!お前、あんだけ頼み込んどいて最後に爆笑ってどう言う事だっ!?金輪際、おめえのお願いなんか聞いてやらねぇからな!!」



事の発端はそう。
あいつのお願いからだった。


「トラップ!一生のお願いなの!私を助けると思って手伝って!!」
勢いよくパチン!と頭の上で手を合わせて深々と俺に頭を下げる、わが意中の相手。
ダイニングのイスに片膝を立てて頬杖をついたまま、俺はチラリとそいつに視線を向ける。
「い・や・だ。ぜってぇーヤだからな、俺は!」
同情も思いやりもねぇ俺の言葉にパステルは
「そんなぁ・・・。」
と泣きそうな顔を上げた。

んな顔しても俺は騙されねぇ。

「そう言うことはクレイにでも頼めばいいだろ。」
面倒な事はあいつの得意分野だろーが。
「お願いよートラップ!相手の人も是非トラップにお願いしたいって言ってるの!」
ねっ!?と上目遣いで必死にお願いしてくるパステルに、心が一切揺らがないかと言えばノーだ。
だが、俺の決心は硬い。
「相手がどう言ってようが、俺には関係のねぇこった。おめえもホイホイそんな依頼、受けてくんじゃねぇよ。」
バッサリとパステルの頼みを切り捨ててこの場から逃げるべく、俺は席を立った。
「そんな冷たい事言わないでよぉ。ねっ?トラップしか頼める人がいないんだもん。」
「・・・・・・・・。」
俺の後を追いかけてくるパステルを無視してダイニングを出る。
正直、進展の無い押し問答にも飽きてきた。
しかし俺のそっけない態度に引く事も無く、パステルは俺の後を追いかけてくる。
「印刷屋のご主人にも、今回の依頼人にも頼まれたんだもん。嫌だなんて言えなくって・・・。」
こいつの事だ2人掛りで頼み込まれたんだろう。
日頃世話になっているパステルとしては断り切れなかったのは想像しやすい。
でも。
それとこれとは別だ。
世話になっているのはこいつであって俺じゃねぇ。
なにしろ、今回の依頼を俺は断じて受けたくねぇ。
例え、こいつに頼まれたとしても。
「トラップ。そのう・・・お礼も少しは出るし?すぐ済むよきっと!だから・・・」
俺を逃がすまいと、腕をがっしり掴んだままパステルは離す様子は無い。
その腕は魅力的でも、依頼内容には魅力を感じねぇ。
謝礼の金額を聞いて余計に。
「少しだあっ!?500Gって子供の小遣いかよ!んなはした金で俺様に頼もうってのが間違ってんだよ!」
「おやぁ。2人でこんな所で何をしてるんですか?」
いきなり、ガチャリと玄関のドアが開いてキットンが帰ってきた。
「そ、それが・・・。」
パステルがしょんぼりとキットンに説明をしようとすると、いきなりキットンに遮られてしまった。
「ああぁあっ!思い出しましたー!パステル。そう言えば印刷屋のご主人が例の依頼の謝礼、間違えてましたって言ってましたよ!そうでした!そうでした!何か忘れていると思ったんですけど、パステルのそのボケッとした顔を見たら思い出しましたよっ!」
「・・・・・・・・。」
チラリと隣を見ると、すっごく複雑そうなパステルの表情があった。
そりゃそうだよな。
「なんだよキットン。こいつが俺に断りも無く勝手に受けてきた依頼だろ?」
パステルの怒りを静めるべく、話を逸らす。
が・・・・。
「おや。トラップがあの依頼を受けるんですか?私はてっきりクレイだとばっかり思ってましたよ。依頼人の目は節穴じゃないんですかねぇ。」
「・・・うっせぇぞ、キットン。」
イラッとくるキットンの発言に凄んでやる。
「もうっ!キットンはいつも一言多すぎなの!で?謝礼は本当は幾らだったの?」
「ええ。最初パステルには500Gと言っていたみたいですが、本当は5000Gの間違いだったみたいです。」
「「5000G-!?」」
「はい。」
「ウソ!そんなにくれるのっ!?ちょっと!これは受けるよね!?5000G全部トラップにあげるから!」
「バカ!あったりめぇだ!」
「じゃあトラップ、依頼を受けてくれるのね?」
キラリとパステルの表情が輝く。
そして俺の寂しい懐にも希望の光りが輝きだした。
5000Gが手に入るとなっちゃぁ、俄然とやる気が沸いてきた。
「おうよ!その依頼、俺が引き受けてやるっ!」
「ありがとう!トラップ!!」
パステルにも感謝されて気分は最高だ!
「よっしゃあぁっ!トラップ様の男のプライドに賭けて、この雑誌のモデル依頼、完璧にこなしてやるぜ!」



*******



そんな経緯で受けたこの依頼。
確かに5000Gはしっかり頂けたし満足で依頼を終えたはずだったのに・・・・・。
この仕打ちには納得いかねぇっ!
まだ笑い転げているパーティメンバーに俺の怒りは頂点に達した。
「お前らいい加減にしろよっ!」
バンッ!とテーブルを叩くと一瞬、笑い声が止まった。
止まってパーティメンバーが一斉に俺の顔を見つめる。
ふぅ。・・・・やっと収まったか?

「・・・ぷ!」
「ぶぶっ!」
「ぐふっ!」
「だはっ!」
「くくくっ!」
「ぷー!」
俺の顔を見た瞬間、全員が一斉に吹き出した。

「「「「「「だっはっはっはっはっはっ!!」」」」」」

再び爆笑の渦。
「おーまーえーらぁー!!」

「あはははっ!不思議とトラップの顔と雑誌を交互に見るだけで笑いがこみ上げて来るんだよ!」
「いやいやぁ!よく撮れてると思いますよ?でもモデルがねぇ。ぐふふふふふっ!!」
「トラップ格好いい。でも・・・・どうしてか笑わずにいられない。くっくっく。」
「とりゃーがこんな格好してるの変なんだおぅー!だから笑ってあげるんだー!」
「トラップあんしゃん格好良いデシよ!でもこんな真面目な顔したトラップあんしゃんはなんだか可笑しいデシ。」
「トラップ!本当に格好良いよ!似合ってるしね!でもやっぱりみんなが言う通り、いつものトラップと違うからなんだか違和感がありすぎちゃって・・・・。ほらっ!トラップの性格もよく知ってるから余計・・・ね?今回の依頼、受けてくれて本当にありがとうね!お陰で今月の雑誌、めちゃ売れなんだって!印刷屋のご主人も感謝してたよ?」


「うっせぇー!!お前ら言いたい放題言いやがって!!俺はもう二度とモデルの依頼なんか受けねぇからなっ!!」
家中に俺の絶叫が響き渡る。
「ええっー!?また次回もお願いしますって頼まれちゃったよ、私!」
パステルの勝手な言い分にもブチ切れだ。
「知るかっ!クレイにでもやらせとけっ!」
そうだ!最初っからクレイにやらせとけば良かったんだよ!
くっそうー!!5000Gに目が眩んだばっかりに。


「ぐふふふっ!解ってないですね。クレイがモデルをしてもはまり役なので誰も笑えないじゃないですか!」
こいつは・・・!
本当に一言二言多いんだよっ!!
「俺は笑いを取るためにモデルをしたんじゃねぇんだよっ!!!!」
こんな家出て行ってやる!
家出だっ! 
玄関に向かう俺の背中に意中の女性が声を掛けて来た。

「あ!トラップ。夕食には帰って来てよ?」




END


トラップが虐げられてる。(笑)
んで、パーティに爆笑された問題の『トラップモデル写真』

ご覧になりたければどうぞ。
ちなみに、みいはとりさんを『正装してればトラップも格好良く見える魔法』にかけるべく、必死に描いたんですけど。
描き終わって冷静に見たら自然と笑いが込み上げ来た。爆笑!!
無理無理!!ww
面白すぎるもん!!
だからパステル達の気持ちがよく解る。
うん。
ワラエルvvv
『正装モデルトラップ』

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