ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑
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《真夜中の散歩》
満月の月明かりの中に伸びる、2人の影。
時間は夜中になっていた。さすがに、こんな時間に散歩している人はいない。
私とトラップは、お互いが聞き取れるくらいの大きさの声でしゃべっていた。
だって時間が時間だからね。
村の中を抜けて村の外に出る。私はトラップに連れられて、小高い丘に来た。
「すっごーい!月が綺麗だし、明るいね。」
そう言って私が腰を下ろすと、トラップも隣に座った。
「ん。・・・そうだな。・・・・。」
カンテラを持たずに出た私たちだったけど、お互いの顔くらいははっきり見える。そんな月明かり。
普段こんな時間に外に出ないでしょう?しかもトラップも一緒だから迷子の心配もないしね。
あははっ。
私はすっごく楽しくって、ニコニコしっぱなし。
さっきからいろいろトラップに話しかけるんだけど、・・・なんだかトラップってば変。
やけに口数が少ない。
「どうしたの?トラップ。具合悪いの?」
さっきまでは普通だったのに、一体どうしたんだろう?急に心配になってきた。
「なんでもねーよ。」
「本当に?しんどかったら、家に帰ってもいいよ?」
私が聞いても「大丈夫だから。」の一点張りだし・・・。
うーん。ま、いっか。本当にどこか悪かったら彼の事だ、ちゃんと言うだろう。
私は気を取り直して、改めて満月の夜空を見上げる。
夜空の中で満月の存在は、かなり大きく見えた。
そう言えばキットンが、「今夜は十五夜ですね。」って言ってた気がする。
ぼーっと月を見上げてる私のほっぺたに、突然何かが触れた。
びっくりして振り向くと、トラップがこっちを見つめている。
つまり私のほっぺに触れているものは、トラップの長くて綺麗な指だった。
「??トラップ・・・?」
どうしたんだろう。やっぱりトラップ、変だよね。
「・・・おめぇ、俺がこの前言った事、全然解ってねぇな。」
いきなりそんな事を言われても、なにがなんだかさっぱり解らない。
「この前・・・?」
首をかしげて考える。はて、何の事?
そんな私を見て深いため息をついたかと思うと、伸ばしたままの手をあごまで下げて、
「俺はちゃんと忠告した。忘れたおめぇが悪い。」
そう言ったかと思うと、トラップの顔がだんだん近づいてくる。
「トラ・・・?」
どうしてトラップの顔がこんなに近いんだろう・・・。
「キスしてもいいか?」
どきんっ!!
顔がボッと一気に熱くなる。
「なっ!?キス・・・って!?」
今トラップ、私に「キスしてもいいか?」って聞いたのよね!?私の聞き間違い・・・じゃないよね?
頭の中でトラップのセリフをリフレインする度に、どんどん体が熱くなる。
「イエスか、ノーか。5秒以内に返事。」
月明かりに照らされたトラップの顔は、かっこよかった。
私、トラップとキスするの?
まっすぐに私を見つめてくるトラップの瞳をまっすぐに見つめ返して、私の中から湧き上がった素直な感情。
トラップとキスしたい。
そう思った瞬間、目を閉じた。
「時間切れ。」
ふっ、と息がかかったかと思うと、次の瞬間には唇が触れていた。
あぁ。心が通ったキスってすっごく幸せなんだ。
触れた時と同じくらいの優しさで離れていった唇。
目を開けると少し不安そうなトラップの顔があった。
「大丈夫。私も同じだから。」
そう言ってにっこり笑うと、今度はさっきよりもトラップの感情が強く流れてくるキスだった。
私の中からも強く溢れ出てくるこの感情はきっと、特別な『愛しさ』なんだろう。
空に浮かんだ満月は静かに、沈み始めていた。
おしまい。
戻る
満月の月明かりの中に伸びる、2人の影。
時間は夜中になっていた。さすがに、こんな時間に散歩している人はいない。
私とトラップは、お互いが聞き取れるくらいの大きさの声でしゃべっていた。
だって時間が時間だからね。
村の中を抜けて村の外に出る。私はトラップに連れられて、小高い丘に来た。
「すっごーい!月が綺麗だし、明るいね。」
そう言って私が腰を下ろすと、トラップも隣に座った。
「ん。・・・そうだな。・・・・。」
カンテラを持たずに出た私たちだったけど、お互いの顔くらいははっきり見える。そんな月明かり。
普段こんな時間に外に出ないでしょう?しかもトラップも一緒だから迷子の心配もないしね。
あははっ。
私はすっごく楽しくって、ニコニコしっぱなし。
さっきからいろいろトラップに話しかけるんだけど、・・・なんだかトラップってば変。
やけに口数が少ない。
「どうしたの?トラップ。具合悪いの?」
さっきまでは普通だったのに、一体どうしたんだろう?急に心配になってきた。
「なんでもねーよ。」
「本当に?しんどかったら、家に帰ってもいいよ?」
私が聞いても「大丈夫だから。」の一点張りだし・・・。
うーん。ま、いっか。本当にどこか悪かったら彼の事だ、ちゃんと言うだろう。
私は気を取り直して、改めて満月の夜空を見上げる。
夜空の中で満月の存在は、かなり大きく見えた。
そう言えばキットンが、「今夜は十五夜ですね。」って言ってた気がする。
ぼーっと月を見上げてる私のほっぺたに、突然何かが触れた。
びっくりして振り向くと、トラップがこっちを見つめている。
つまり私のほっぺに触れているものは、トラップの長くて綺麗な指だった。
「??トラップ・・・?」
どうしたんだろう。やっぱりトラップ、変だよね。
「・・・おめぇ、俺がこの前言った事、全然解ってねぇな。」
いきなりそんな事を言われても、なにがなんだかさっぱり解らない。
「この前・・・?」
首をかしげて考える。はて、何の事?
そんな私を見て深いため息をついたかと思うと、伸ばしたままの手をあごまで下げて、
「俺はちゃんと忠告した。忘れたおめぇが悪い。」
そう言ったかと思うと、トラップの顔がだんだん近づいてくる。
「トラ・・・?」
どうしてトラップの顔がこんなに近いんだろう・・・。
「キスしてもいいか?」
どきんっ!!
顔がボッと一気に熱くなる。
「なっ!?キス・・・って!?」
今トラップ、私に「キスしてもいいか?」って聞いたのよね!?私の聞き間違い・・・じゃないよね?
頭の中でトラップのセリフをリフレインする度に、どんどん体が熱くなる。
「イエスか、ノーか。5秒以内に返事。」
月明かりに照らされたトラップの顔は、かっこよかった。
私、トラップとキスするの?
まっすぐに私を見つめてくるトラップの瞳をまっすぐに見つめ返して、私の中から湧き上がった素直な感情。
トラップとキスしたい。
そう思った瞬間、目を閉じた。
「時間切れ。」
ふっ、と息がかかったかと思うと、次の瞬間には唇が触れていた。
あぁ。心が通ったキスってすっごく幸せなんだ。
触れた時と同じくらいの優しさで離れていった唇。
目を開けると少し不安そうなトラップの顔があった。
「大丈夫。私も同じだから。」
そう言ってにっこり笑うと、今度はさっきよりもトラップの感情が強く流れてくるキスだった。
私の中からも強く溢れ出てくるこの感情はきっと、特別な『愛しさ』なんだろう。
空に浮かんだ満月は静かに、沈み始めていた。
おしまい。
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