ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑
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続き、書き上げてしまいましたvvv
薬飲んだので、痒いのは大丈夫です!!
ではどうぞー☆
(前半を読んでない方はこちらを先にどうぞ!→癒えぬ傷跡
《癒えぬ傷跡・続》
お、俺は馬鹿か・・・・。
ついさっきの出来事と自分の行動に、ドッと後悔の念が押し寄せる。
情けねぇにも程がある。
あそこまでしといて逃げ出すなんて・・・・・。
馬鹿だ俺は・・・・・。
俺は家の前に立っている木にもたれながら、空を仰いだ。
吐く息は白く、夜風に連れ去られた。
はぁあああああ・・・・。
ったく。
調子狂う。
本当はあんな風に本気のプロポーズをするつもりなんか、さらさらに無かったんだ。
ただ、いつものようにパステルに嫌味を言って、怒った顔にちょっかいを出すつもりだったのに・・・・・。
気付いたら、
「俺が護ってやる」
そんな本音が零れてて・・・・・。
だああぁああっ!!
あんな台詞、俺のガラじゃねぇーっつーの!!!
しかも、しかも!!
いつもなら神業的な天然さで、『なんで?トラップが??』とか言って返してくるのに、今日は・・・・
『なんだか、プロポーズみたいだよ?』
・・・・・ちゃんと伝わってんじゃねぇーかっ!!
何でこんな時に限って伝わってんだよ!!??
だあああぁっっくっそー!!!
本気で調子狂うっちまう。
馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ・・・・・・!!
俺は馬鹿だぁあっ!!
うがあぁあぁぁー!
「情けねぇ・・・・・・・。」
ポツリと呟いた俺の懺悔も同じように、闇へと吸い込まれていった。
俺はなんであんなに弱気になってたんだ?
あの時・・・・・
風呂から上がって部屋に入るとクレイは居なくて、代わりに終わりの無い暗闇が俺を待っていた。
今から考えるとただ、カーテンも閉まっていて外の景色が一切入ってこなかった事と、今日が新月だったって事。
ただそれだけの理由。
でも、俺の心を揺さぶるには簡単な罠。
俺は少しでも明かりが欲しくてカーテンを引いて月を探した。
別に満月じゃなくっても良かったんだ。
今にも消えてしまいそうな細い細い三日月でも・・・・。
俺の目に映ってくれさえすれば、そこに居てさえくれたら。
しかし、そこには闇があるだけだった。
ただただ、深い闇が・・・・・・・。
ドクンッ
変な焦燥感が体を駆け巡った。
いつもそこにあると思っていたものが、ある日忽然と姿を消したような虚無感。
大切なもの達が、いとも簡単にこの手をすり抜けて落ちていくような・・・・・・・。
そんな漠然とした不安が、俺の中の闇を浮かび上がらせたんだ。
今、冷静になれば馬鹿らしいにも程がある。
闇にビビッてたんだからな。
冒険者が聞いて呆れるぜ。
あーあ!
本当にいろいろ情けねぇーなー、俺。
でも、あそこで飛び出しといて正解と言えば正解だったのかも知れねぇ。
なぜなら、あの現場をクレイに目撃されてた可能性もあったんだ。
そこまで考えて、背筋に嫌な汗が流れる。
っあっぶねぇー!!
それこそ冗談じゃねぇー!
ってか、冗談にならねぇ。
パステル、怒ってんだろーな。
ふと、パステルの石鹸の香りがしてさっきの出来事を思い出す。
空耳ならぬ空匂い?
・・・・・相当来てんのか?俺は。
そんな自分に呆れていると、今度はちゃんと鼻が匂いを拾ってきた。
「パステル!?」
あわてて振り返るとそこには、パステルとは似ても似つかないずんぐりむっくりした男。
「・・・・・なんだよ。キットン。」
こいつから石鹸の匂いがするなんて想像つかねぇけど、明らかにキットンから匂ってくる。
・・・いや。
キットンから匂ってきても、俺の理性はちっとも揺らがねぇけどよ?
揺らいだらそれこそ、相当ヤバイだろ俺。
「ぐふっふっふっふ!トラップ、ダメじゃないですかー逃げたりしちゃぁ。」
キットンから出た言葉に背筋が凍る。
こ、こいつ・・・・まさか・・・・。
「な、何の事だよキットン?」
「壁に耳あり。扉に目あり。ですよ?」
一切悪びれない態度にイラッとくる。
「聞いてたってか?」
「いやぁー。あのままトラップが頑張る様でしたらクレイを引き止めるべく、私が一肌脱ごうと思っていたんですがねぇ。ぎゃっはっはっはっは!」
「うっせぇーよ!大きなお世話だっ!!」
「ぎゃっはっはっはっは!!!しかも、パステルの匂いがしただけで振り向くなんて、ベタ惚れですね、ベタ惚れ!!」
「だから、うっせぇーつうの!なんだよ!おめぇはスグリの匂いで振り向かねぇのかよっ!!」
だぁあっ!イライラするっ!!
「もちろん、振り向きますよ?当然でしょ?」
「・・・・・・・・。」
そんな堂々と・・・・・恥じらいとかねぇのかよ。
お前には。
「・・・・・あっそ。」
なんだか、こいつに付き合うのもめんどくせぇ。
だんだん体も冷えてきたし、そろそろ家に戻ろ・・・・。
「ん・・・・・!?」
玄関に向かって歩いてキットンとすれ違った時に、俺は変な違和感を感じた。
・・・・キットンから石鹸の匂いがしねぇ。
いや。でもさっき確かにこいつから匂いがしてきたのに?
「・・・・キットン、風呂入ったんじゃねぇの?」
「はい?もちろん入ってませんよ?」
「威張んじゃねぇーよ!ったく。じゃあさっきの匂いは・・・・?」
もしかして、あいつも外にいるのか?
ぐるりと見渡すが、パステルの姿は何処にもない。
「ふふふっ!さっきのは、私の素晴らしいプンスー魔法です!!」
「・・・・・しょーもねぇ。」
一気に脱力。
「たかがそんな匂いのために魔法を使ってんじゃねぇーよ!」
ゴツンと拳骨を落とすと、文句を言いながらも負けじと言い返してきた。
「何を言ってるんですか!?愛しい人の匂いと言うものは精神安定剤になるんですよ!?
まるで此処にいてるかのように、目には見えなくても触れられなくっても絶対的な安心が得られる、存在を感じられる大切なものなんです!
現にあなたも石鹸の匂いだけでパステルを連想したではありませんか!!」
「ぅぐっ、そうだけどよぉ・・・。なんか、変態臭いぞおめぇ・・・・。」
「私の事は良いんです!それよりもトラップ。
ちゃんとパステルにフォロー入れないと後々、面倒な事になりますよ?」
「それこそ、おめぇには関係ねぇだろっ!!」
くそぉー。
こいつは痛いとこ突いてくんじゃねぇよ!
「・・・・トラップは何を躊躇っているのですか?いつまでも悪戯に誤魔化してなんかいないで、パステルに正直に話してみてはどうですか?不安で仕方ないって。」
「ばっ!!んな事言えるか!笑われるのがオチだろ!?」
「パステルは笑ったりしません。そう言う子でしょ?」
「・・・・・・・・・。」
「ありのままの貴方もちゃんと受け止めてくれる。パステルはそう言う子です。きっと貴方一人で抱えている方がパステルも辛いと思いますよ?トラップ、貴方の今の気持ちを正直に打ち明けてみてはどうですか?」
「・・・・・・・・・。」
「パステルはまだ起きてると思いますよ。さっきリビングに居てましたから。私は先に休みます。」
そう言って俺に背を向けて玄関に向かう背中に口を開く。
「・・・・・さんきゅ。キットン。」
キットンは少し振り返りながらいつもの笑顔で
「おやすみなさい。」
そう言うと玄関の中へと消えた。
あいつにちゃんと話そう。
そして、もうしばらくプロポーズは先送りにしよう。
別に逃げるわけじゃねぇ。
ただ今は、俺の正直な話を聞いて欲しいだけだ。
癒えぬ傷跡の先にある未来は真っ暗闇だけじゃねぇ。
それを教えてくれたあいつに。
パステルに出会えた幸せをかみ締めながら俺は玄関をくぐった。
癒えぬ傷跡と共に歩いていくお前が好きだと。
おしまい。
お、終わりましたー!!
なんとか丸く収まったのでしょうか・・・・・??ドキドキ
いつもキットンはいいヤツです。(トラパシストにとって。笑wwww
薬飲んだので、痒いのは大丈夫です!!
ではどうぞー☆
(前半を読んでない方はこちらを先にどうぞ!→癒えぬ傷跡
《癒えぬ傷跡・続》
お、俺は馬鹿か・・・・。
ついさっきの出来事と自分の行動に、ドッと後悔の念が押し寄せる。
情けねぇにも程がある。
あそこまでしといて逃げ出すなんて・・・・・。
馬鹿だ俺は・・・・・。
俺は家の前に立っている木にもたれながら、空を仰いだ。
吐く息は白く、夜風に連れ去られた。
はぁあああああ・・・・。
ったく。
調子狂う。
本当はあんな風に本気のプロポーズをするつもりなんか、さらさらに無かったんだ。
ただ、いつものようにパステルに嫌味を言って、怒った顔にちょっかいを出すつもりだったのに・・・・・。
気付いたら、
「俺が護ってやる」
そんな本音が零れてて・・・・・。
だああぁああっ!!
あんな台詞、俺のガラじゃねぇーっつーの!!!
しかも、しかも!!
いつもなら神業的な天然さで、『なんで?トラップが??』とか言って返してくるのに、今日は・・・・
『なんだか、プロポーズみたいだよ?』
・・・・・ちゃんと伝わってんじゃねぇーかっ!!
何でこんな時に限って伝わってんだよ!!??
だあああぁっっくっそー!!!
本気で調子狂うっちまう。
馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ・・・・・・!!
俺は馬鹿だぁあっ!!
うがあぁあぁぁー!
「情けねぇ・・・・・・・。」
ポツリと呟いた俺の懺悔も同じように、闇へと吸い込まれていった。
俺はなんであんなに弱気になってたんだ?
あの時・・・・・
風呂から上がって部屋に入るとクレイは居なくて、代わりに終わりの無い暗闇が俺を待っていた。
今から考えるとただ、カーテンも閉まっていて外の景色が一切入ってこなかった事と、今日が新月だったって事。
ただそれだけの理由。
でも、俺の心を揺さぶるには簡単な罠。
俺は少しでも明かりが欲しくてカーテンを引いて月を探した。
別に満月じゃなくっても良かったんだ。
今にも消えてしまいそうな細い細い三日月でも・・・・。
俺の目に映ってくれさえすれば、そこに居てさえくれたら。
しかし、そこには闇があるだけだった。
ただただ、深い闇が・・・・・・・。
ドクンッ
変な焦燥感が体を駆け巡った。
いつもそこにあると思っていたものが、ある日忽然と姿を消したような虚無感。
大切なもの達が、いとも簡単にこの手をすり抜けて落ちていくような・・・・・・・。
そんな漠然とした不安が、俺の中の闇を浮かび上がらせたんだ。
今、冷静になれば馬鹿らしいにも程がある。
闇にビビッてたんだからな。
冒険者が聞いて呆れるぜ。
あーあ!
本当にいろいろ情けねぇーなー、俺。
でも、あそこで飛び出しといて正解と言えば正解だったのかも知れねぇ。
なぜなら、あの現場をクレイに目撃されてた可能性もあったんだ。
そこまで考えて、背筋に嫌な汗が流れる。
っあっぶねぇー!!
それこそ冗談じゃねぇー!
ってか、冗談にならねぇ。
パステル、怒ってんだろーな。
ふと、パステルの石鹸の香りがしてさっきの出来事を思い出す。
空耳ならぬ空匂い?
・・・・・相当来てんのか?俺は。
そんな自分に呆れていると、今度はちゃんと鼻が匂いを拾ってきた。
「パステル!?」
あわてて振り返るとそこには、パステルとは似ても似つかないずんぐりむっくりした男。
「・・・・・なんだよ。キットン。」
こいつから石鹸の匂いがするなんて想像つかねぇけど、明らかにキットンから匂ってくる。
・・・いや。
キットンから匂ってきても、俺の理性はちっとも揺らがねぇけどよ?
揺らいだらそれこそ、相当ヤバイだろ俺。
「ぐふっふっふっふ!トラップ、ダメじゃないですかー逃げたりしちゃぁ。」
キットンから出た言葉に背筋が凍る。
こ、こいつ・・・・まさか・・・・。
「な、何の事だよキットン?」
「壁に耳あり。扉に目あり。ですよ?」
一切悪びれない態度にイラッとくる。
「聞いてたってか?」
「いやぁー。あのままトラップが頑張る様でしたらクレイを引き止めるべく、私が一肌脱ごうと思っていたんですがねぇ。ぎゃっはっはっはっは!」
「うっせぇーよ!大きなお世話だっ!!」
「ぎゃっはっはっはっは!!!しかも、パステルの匂いがしただけで振り向くなんて、ベタ惚れですね、ベタ惚れ!!」
「だから、うっせぇーつうの!なんだよ!おめぇはスグリの匂いで振り向かねぇのかよっ!!」
だぁあっ!イライラするっ!!
「もちろん、振り向きますよ?当然でしょ?」
「・・・・・・・・。」
そんな堂々と・・・・・恥じらいとかねぇのかよ。
お前には。
「・・・・・あっそ。」
なんだか、こいつに付き合うのもめんどくせぇ。
だんだん体も冷えてきたし、そろそろ家に戻ろ・・・・。
「ん・・・・・!?」
玄関に向かって歩いてキットンとすれ違った時に、俺は変な違和感を感じた。
・・・・キットンから石鹸の匂いがしねぇ。
いや。でもさっき確かにこいつから匂いがしてきたのに?
「・・・・キットン、風呂入ったんじゃねぇの?」
「はい?もちろん入ってませんよ?」
「威張んじゃねぇーよ!ったく。じゃあさっきの匂いは・・・・?」
もしかして、あいつも外にいるのか?
ぐるりと見渡すが、パステルの姿は何処にもない。
「ふふふっ!さっきのは、私の素晴らしいプンスー魔法です!!」
「・・・・・しょーもねぇ。」
一気に脱力。
「たかがそんな匂いのために魔法を使ってんじゃねぇーよ!」
ゴツンと拳骨を落とすと、文句を言いながらも負けじと言い返してきた。
「何を言ってるんですか!?愛しい人の匂いと言うものは精神安定剤になるんですよ!?
まるで此処にいてるかのように、目には見えなくても触れられなくっても絶対的な安心が得られる、存在を感じられる大切なものなんです!
現にあなたも石鹸の匂いだけでパステルを連想したではありませんか!!」
「ぅぐっ、そうだけどよぉ・・・。なんか、変態臭いぞおめぇ・・・・。」
「私の事は良いんです!それよりもトラップ。
ちゃんとパステルにフォロー入れないと後々、面倒な事になりますよ?」
「それこそ、おめぇには関係ねぇだろっ!!」
くそぉー。
こいつは痛いとこ突いてくんじゃねぇよ!
「・・・・トラップは何を躊躇っているのですか?いつまでも悪戯に誤魔化してなんかいないで、パステルに正直に話してみてはどうですか?不安で仕方ないって。」
「ばっ!!んな事言えるか!笑われるのがオチだろ!?」
「パステルは笑ったりしません。そう言う子でしょ?」
「・・・・・・・・・。」
「ありのままの貴方もちゃんと受け止めてくれる。パステルはそう言う子です。きっと貴方一人で抱えている方がパステルも辛いと思いますよ?トラップ、貴方の今の気持ちを正直に打ち明けてみてはどうですか?」
「・・・・・・・・・。」
「パステルはまだ起きてると思いますよ。さっきリビングに居てましたから。私は先に休みます。」
そう言って俺に背を向けて玄関に向かう背中に口を開く。
「・・・・・さんきゅ。キットン。」
キットンは少し振り返りながらいつもの笑顔で
「おやすみなさい。」
そう言うと玄関の中へと消えた。
あいつにちゃんと話そう。
そして、もうしばらくプロポーズは先送りにしよう。
別に逃げるわけじゃねぇ。
ただ今は、俺の正直な話を聞いて欲しいだけだ。
癒えぬ傷跡の先にある未来は真っ暗闇だけじゃねぇ。
それを教えてくれたあいつに。
パステルに出会えた幸せをかみ締めながら俺は玄関をくぐった。
癒えぬ傷跡と共に歩いていくお前が好きだと。
おしまい。
お、終わりましたー!!
なんとか丸く収まったのでしょうか・・・・・??ドキドキ
いつもキットンはいいヤツです。(トラパシストにとって。笑wwww
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