ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑
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んこれな様の仮面舞踏会イラストに触発されて、こんな妄想を・・・。
(注意:んこれな様の素敵イラストとは、ストーリーに何の関係もございませんのでお気をつけくださいませ。)
みいが勝手に『仮面舞踏会』から妄想しただけなので・・・;
んこれな様、無断ですみませーん!orz
《仮面舞踏会》
今、私達パーティはなんとキスキン国に来ている。
ついにミモザ女王とナレオが結婚する事になったお祝いの式典が開かれる事になり、「パステル達にも是非、立ち会って欲しい。」と、ミモザ姫直々にご招待を受けた私達!
もちろん旅費は向こう負担だし、美味しい料理もお腹いっぱい食べれるはず。
・・・なにより、ミモザ姫の晴れの大舞台に立ち会えることが何より嬉しい。
と言う訳で、はるばる海を越えてキスキン国まで来た私たちなんだけど。
今、想像以上のもてなしに自分達の身分をすっかり忘れてしまいそうになっている6人と1匹・・・。
おほほほほ。なーんちゃって。
でもねー、仕方ないと思うんだ。
私とルーミィは毎日どこのお嬢様!?な服を着せてもらい、男性陣もどこの国の王子様?なんて格好をさせられた挙句、呼べばすぐに飛んでくるメイドさん達。あまーいお菓子に上品な紅茶、口に入れるだけでとろけるお肉なんかを毎食食べてるんだよ!?
きっと一生分の贅沢をしてると言っても、決して言いすぎじゃないと思う。
いつものジリ貧生活を忘れて、みんな夢のような生活を送っていた。
あ。もちろん、式典の方にもきちんと参列したよ!?
すっごくロイヤルな世界に気後れしながらも、ね。
そんなお城では日替わりでさまざまなイベントが行われていて、今日はなんと仮面舞踏会が行われるらしい。
みんなの衣装は内緒なんだって!!だからルーミィの衣装も教えてもらってない。
舞踏会会場でのお楽しみってことらしい。
仮面舞踏会だもんね。相手が誰か解らないって言うのが醍醐味なんだろう。
うわぁー!すっごく楽しみ!!
ちなみに私はパステル用に、と用意された衣装を見て口をあんぐり開けてしまった・・・。
全体を占める色は光沢を帯びた黒。
その黒に良いアクセントとなっているのが、豪華な純白のレース。
ハイネックやスカート、袖などの部分にすっごくセンスよくあしらわれていて、なんて言うかシンプルなデザインなのにゴージャス!!
しかも、な、なんと!
バックは腰くらいまで大きく開いていて、前はハイネックから胸の谷間が見えそうなくらいの穴が菱形に空いていた・・・。
無理!無理!無理!ぜーったいに無理!!
こんなの着てトラップに見つかったら、爆笑されるに決まってるじゃん!!
こんなセクシーなドレス絶対着れないよぉ!!マリーナならバッチリ似合うと思うけどさー!!
持って来てくれたメイドさんに
「・・・すみません。せっかく用意していただいて、こんな事言うのは大変失礼なんですが、なにか違う衣装はありませんか?」
と、心から申し訳ないなと思いながら断っている時だった。
トントン。
ノックして入ってきたのはミモザ姫・・・いやミモザ女王だった。
「どうだ?パステル。わたしが用意した衣装は気に入ってもらえたか?」
ううう・・・。本人に言うのはすっごく心苦しかったけど、私は正直に言う事にした。
「せっかく用意してくださったのに、大変心苦しいのですが、あのー。私には少し大胆すぎる気がして・・・」
私の申し出を聞いてミモザ女王は怒ったりせず、にっこりと微笑んで
「ふふ。だから私が直に見立てたのだ。せっかくの仮面舞踏会、楽しんでもらいたいからな。」
大丈夫だ。パステルなら絶対に似合うぞ。と言って強引にメイド達に着替えの指示をしていくミモザ女王・・・。
あれよあれよと言う間に着飾られていった私はすでに、私じゃない気がした。
お化粧もしてもらって仕上がった私を見て、ミモザ女王はとっても満足げにうなずいた。
「うむ。やっぱり私が思っていた通りだな。よく似合っている。」
そう言うと私に仮面を手渡した。
もーこうなりゃ、ヤケクソだ。トラップにだけは絶対にバレる訳にはいかない!!!
そう心に決めて私はミモザ女王と仮面を付けて、いよいよ会場へと向かった。
豪華なシャンデリアでキラキラと輝く会場は沢山の人で埋め尽くされていて、中央ではダンスが繰り広げられていた。
ふわあぁああ!すごーい!
入り口で感動していると
「パステル・・・、口は閉じておいた方がいいと思うぞ。」
ミモザ女王に注意されて、慌てて閉じる。
おっと、あぶない、あぶない。
「じゃあパステル、仮面舞踏会楽しんでくれ。」
そう言って手を振りながらミモザ女王は、人ごみの中へと消えていった。
・・・・え。1人でどうしたらいいの???
ダンスは基本的に男性から誘うものだし・・・・。
つまり誘われなかったら、ずーっと踊れ無いわけで。
と、とりあえずパーティのみんなを探そうかな?・・・トラップ以外を。
そう思ってあたりを見回してみるけど、とてもじゃないけど、すぐには見つかりそうに無かった。
だって・・・・・みんな仮面をつけてるんだもーん!!
まったくもって誰が誰だか一切、解らない。
なんだか、迷子になった時の気持ちにすっごく似てる気がする。くすん。
浮かれた気分が少ししぼんで、端の方に行きかけたときだった。
「私と1曲、踊ってくださいませんか?」
すらりと背の高い男性が恭しく、私に手を差し伸べていた。
「わ、私ですか!?」
予想だにしていなかった突然のお誘いに、間抜けな返事をしてしまった。
ひゃー!かっこ悪るすぎるよ・・・私。
私の返事に驚いたのだろう、目をぱちくりさせて男性は
「・・・え?えっと、すみません。失礼しました。」
そう言って、そそくさとどこかに去ってしまった・・・。がーん。
自己嫌悪。すっごく落ち込む・・・。
あーあ。せっかく男性から誘われたのに、私ってなんて馬鹿なんだろう。
きっとマリーナならこんな時、にっこり微笑んで「よろこんで。」とか難なくこなしてしまうんだろうなぁ。
・・・・!!!
そうだ!これだ!
次誘われたら、にっこり笑って「よろこんで。」って言ってみよう!
そんな事を考えていたら、再び声をかけられた。
「是非、僕と踊っていただけませんか?」
仮面の向こうは優しそうな声だった。
・・・よし!上手く返事をするのよ、パステル。
意気込んで返事をしようと顔を上げると
「私とも是非!」
・・・・・え???
「次は僕と踊ってください!!」
「いや!私と踊りましょう!」
「貴女と是非、一緒に躍らせてください。」
「抜け駆けするな!」
「俺が先に目を付けてたんだぞ!」
「声をかけたのは僕が先だ!」
数名の男性が言い争っていた。
何?この状況はなんなの!?
さっきの意気込みはどこかに飛んでいってしまった。
目の前の状況に困ってしまった私にある男性から、ひとつの提案が出された。
それは私に踊る相手を選んでもらおう。と言うものだった。
私が踊りたいと思う相手の手を取る。
単純で解りやすい解決方法に全員が納得したみたいだけど、選ぶ私は大変だ。
ど、どーしよう・・・。
一体誰を選べばいいのだろう。
目の間にずらりと並べられた、私よりも大きくがっしりとした男性の手。
顔を見てもみんな仮面を付けているからみんな同じに見えるし・・・。
き、決められないよー!
いっその事全員に「ごめんなさい。」と断ろうか?それなら公平な気もするけど・・・返事としてあまりにも失礼な気もする。
う ん。
並んだ手を見て必死に悩んでいた私の目に、一つ気になる手があった。
よしっ!
「この方と踊ります。」
自分の勘を信じてその手握って選ぶと、周りからは残念そうなため息が漏れた。
ごめんなさーい!!
心の中で必死に謝る。
でも、みんな育ちがいい人ばかりなんだろう。っていうか紳士だ。
私が選んだ答えに文句を言う人は、ひとりも無かった。
私に選ばれた金髪の男性は少し驚いていたけど、次の瞬間にはにっこりと笑って、
「・・・では、あちらへ参りましょうか。」
と私の手を握ってダンスの輪へと、優しくエスコートしてくれた。
踊っている人たちの邪魔にならない場所に、私の選んだ金髪男性と向かい合って立つ。
すると、丁寧に腰を折り、
「私をお選びくださり、ありがとうございます。では改めて、私と踊って頂けますか?」
ときれいな手を差し伸べてくれた。
私はその手を取り、にっこりと微笑んで
「もちろんよろこんで。トラップ。」
と返事を返した。
「えっ・・・・!?」
私の返事に仮面の下で、大いに驚いてくれた目の前の金髪男性。
しばらく沈黙の後、観念したのか仮面を取って被っていたカツラを脱いだ。
「・・・なんで解ったんだよ?」
「んー。へへっ・・・内緒!」
せっかくヅラまで被ったのにっ!とか何とか言って悔しがっているトラップ。
ふふふ。実は、沢山の男性の中から選ぶ時は私も気づいてなかったんだよね。
なんとなく、目に付いた手を選んだもん。
でもね、手を握ったら解ってしまった。
あ、トラップだ。って!
トラップは脱いだカツラを、近くにいたメイドさんに預けると戻ってきた。
「メイドさん、あんなもの渡されて驚いてるよ?」
「いーんだよ。あんなかゆいもん、被ってられねー!」
・・・今まで被ってたのに。なに言ってんだか。
でも、カツラを脱いでいつもの赤毛に戻ったトラップを見て改めて思う。
トラップて、どんな服でも簡単に着こなしちゃうんだよね。
今着ているのは黒いスーツっていても、中にきちんとベストも着てすごく立派なスーツだ。
肩には黒いマントが金の止め具で止まっている。
すごくかっこいい!
ニコニコしながらトラップを見ていると
「なんだよ!?じろじろ見んじゃねーよ!」
と叱られた。っていうよりも照れてるのかな?
「衣装よく似合ってるよ。トラップが選んだの?」
「いや、ミモザ女王の目立てだって着せられた。」
「トラップも!?」
あら?もしかしてミモザ女王、私達全員の分を選んでくれたのかなぁ?
そんな事考えていると、トラップは仮面を付けながらニヤッと笑って。
「おめぇも、意外と似合ってるぜ?」
「!!!意外とってなによぉー!」
くそー!やっぱり笑われた!!
「おらおら、せっかくそんな格好してんのに、んな顔すんじゃねーよ。」
そう言うと私の手を取って、
「んじゃ、踊りますか!」
「うんっ!!」
私とトラップはダンスの輪の中へと入っていった。
******
踊り終わった後で、パーティのみんなと無事合流した私達。
・・・なんだけど、みんなボケーっと口をあけて私とトラップを見ている。
「???どーしたの?みんな。」
私達の衣装が変なのかな?
そんな心配をしているとクレイが説明してくれた。
「なんて言うか・・・、トラップとパステルはお互いパートナーですっ!て感じ・・・」
「はあぁあ?」
クレイが何を言いたいのかさっぱり解んない。
「お互いその衣装を選んだのは偶然ですか?」
キットンが聞いてくる。
「衣装?私とトラップの衣装はミモザ女王が見立ててくれて・・・ってみんなもそうじゃないの?」
みんな一斉に違う。と首を振る。
あれぇ?私とトラップの分だけってこと??
なんでだろう。
「鏡、見たら解ると思う。」
ノルが会場の壁に掛かった鏡を指差しながら言う。
恐る恐る、トラップを連れて鏡の前に二人で立ってみると。
ひゃー!!!なんだか二人並ぶと凄い迫力があった。
そう言えば、黒いドレスを着てる人って居なかった。黒いスーツの人は何人かいたと思うけどね。
みんな仮面舞踏会だからか、一段と華やかな色のドレスを着ている人が多い。
他のパーティメンバーも同じ。
つまり、私とトラップはミモザ女王に、対になっているドレスとスーツを着せられていたわけで・・・。
「やられた・・・・。」
トラップが隣で手を顔に当て呟く。
私はやられたっていうよりも、なんで私達にだけ?って感じなんだけど。
そんな二人を、生暖かい目で遠巻きに見てる他のメンバー。
「ま、あの二人で並んで立っていたら、邪魔者は絶対寄ってきませんね。」
とキットンが笑っていた。
おしまい。
んこれな様のイラストに触発されて、一気に出来上がった二次小説です。
パステルは手を見ただけで、無意識にトラップを見つけてしまいます。vvv
ふふふー。萌えるねコレ。
しっかり変装したにもかかわらず即バレなトラップさん。修行が足りませんねー。笑
なにより、ペアの衣装をこっそり用意してしまうミモザ女王、グッジョブ☆です!