ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑
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《どっちが勝つ?》
丁度、ルーミィとシロちゃんを寝かしつけて私が1階に降りてきたところで、風呂上りのトラップと鉢合わせた。
「髪、ちゃんと拭かないと風邪引くよー?」
髪からポタポタと水を滴らせながら歩くトラップの後ろに付いてキッチンに向かった。
最近夜はすごく冷え込むようになってきたもんね、塗れたままじゃ絶対風邪引くだろうな。
そんな私の親切心に返してきた答えはこれだった。
「へーへー。」
私の注意を聞き入れるつもりは彼には無いみたい。
相変わらずトラップの髪から水が滴っている。
「んもう。拭いてあげるからタオル貸して。」
見かねた私の言葉に、ぎょっとした顔のトラップ。
・・・・・なに、そんなに嫌がらなくてもいいじゃない!?
まったく。
「私に拭かれるのが嫌なら、ちゃんと自分で拭きなさいよね。」
「・・・へーへー。」
そう言って、がしがしと無造作に髪を拭き始めた。
・・・・トラップの髪ってなんで、あんなにサラサラなんだろ。
とくに手入れしてるって訳でも無いみたいだし、いつもこうやってがしがし拭いてるだけだもんね。
本当に羨ましい・・・・。
私の熱い視線を感じたのか、トラップは気味の悪そうな顔で振り返った。
「さっきから何見てんだよ。」
「あ。ごめんごめん。あのね、トラップの髪っていいなぁって思ってさ。」
「俺の髪ぃ?」
「うん。いつもタオルでさっさと拭くだけで乾くし、さらさらなストレートでいいなぁっと思って見てたの。」
「・・・・ふーん。」
あんまり興味なさそうな返事だった。
そうだよね。男の子ってあんまり髪に執着してなさそうだもんね。
そう思いながらも、飽きずにトラップの赤毛を見つめていたら、
「・・・・・まだ、なんかあんの?」
軽く睨まれてしまった。
「んー。トラップの赤毛ってさ、お母さん譲りだよね?」
「はぁ?・・・・そーだけど?」
トラップのお父さんはクレイみたいな黒髪だったもんね。
「じゃあさ。トラップのおじい様も赤毛なの?」
「ああ、そーだな。今じゃ白髪だらけのじじぃだけどな。」
にやりと笑って意地悪そうな顔のトラップ。
「おばあ様は、どうだったの?」
「ばーちゃんは・・・確か、茶髪だったな。」
「あのランドって曾おじい様も、赤毛だったよね。」
そう聞くと、ちょっと考えた顔してから、
「だな。昔の文献にそう書いてあった。赤毛の腰まである長髪だったてな。」
トラップは手を腰まで降ろした。
これくらいの長さってことだろう。
「すごいっ!!」
「ああ、すげーな。俺はそんなに伸ばせねーだろうしな。」
「ううん!長さもすごいけど、ブーツ一家の赤毛の遺伝がすごいって事!」
「はあぁ?」
何言ってのコイツって顔。
「だってね。違う髪色同士の夫婦から、絶対に赤毛の子供が生まれるんだよ?何代も。それってブーツ家の遺伝が強いって事でしょ?だから将来トラップの子供もきっと、赤毛の子が産まれてくるよね!」
うわぁ!!ちょっと見てみたい!!
ミニトラップだよきっと。
口が悪くって、ギャンブル好きで寝起きも悪いけど、きっと盗賊としての才能はバッチリな子供なんだろうな。
そうトラップに言うと、至上最高のいたずら笑顔で私に言った。
「試してみる?」
おしまい。
戻る
丁度、ルーミィとシロちゃんを寝かしつけて私が1階に降りてきたところで、風呂上りのトラップと鉢合わせた。
「髪、ちゃんと拭かないと風邪引くよー?」
髪からポタポタと水を滴らせながら歩くトラップの後ろに付いてキッチンに向かった。
最近夜はすごく冷え込むようになってきたもんね、塗れたままじゃ絶対風邪引くだろうな。
そんな私の親切心に返してきた答えはこれだった。
「へーへー。」
私の注意を聞き入れるつもりは彼には無いみたい。
相変わらずトラップの髪から水が滴っている。
「んもう。拭いてあげるからタオル貸して。」
見かねた私の言葉に、ぎょっとした顔のトラップ。
・・・・・なに、そんなに嫌がらなくてもいいじゃない!?
まったく。
「私に拭かれるのが嫌なら、ちゃんと自分で拭きなさいよね。」
「・・・へーへー。」
そう言って、がしがしと無造作に髪を拭き始めた。
・・・・トラップの髪ってなんで、あんなにサラサラなんだろ。
とくに手入れしてるって訳でも無いみたいだし、いつもこうやってがしがし拭いてるだけだもんね。
本当に羨ましい・・・・。
私の熱い視線を感じたのか、トラップは気味の悪そうな顔で振り返った。
「さっきから何見てんだよ。」
「あ。ごめんごめん。あのね、トラップの髪っていいなぁって思ってさ。」
「俺の髪ぃ?」
「うん。いつもタオルでさっさと拭くだけで乾くし、さらさらなストレートでいいなぁっと思って見てたの。」
「・・・・ふーん。」
あんまり興味なさそうな返事だった。
そうだよね。男の子ってあんまり髪に執着してなさそうだもんね。
そう思いながらも、飽きずにトラップの赤毛を見つめていたら、
「・・・・・まだ、なんかあんの?」
軽く睨まれてしまった。
「んー。トラップの赤毛ってさ、お母さん譲りだよね?」
「はぁ?・・・・そーだけど?」
トラップのお父さんはクレイみたいな黒髪だったもんね。
「じゃあさ。トラップのおじい様も赤毛なの?」
「ああ、そーだな。今じゃ白髪だらけのじじぃだけどな。」
にやりと笑って意地悪そうな顔のトラップ。
「おばあ様は、どうだったの?」
「ばーちゃんは・・・確か、茶髪だったな。」
「あのランドって曾おじい様も、赤毛だったよね。」
そう聞くと、ちょっと考えた顔してから、
「だな。昔の文献にそう書いてあった。赤毛の腰まである長髪だったてな。」
トラップは手を腰まで降ろした。
これくらいの長さってことだろう。
「すごいっ!!」
「ああ、すげーな。俺はそんなに伸ばせねーだろうしな。」
「ううん!長さもすごいけど、ブーツ一家の赤毛の遺伝がすごいって事!」
「はあぁ?」
何言ってのコイツって顔。
「だってね。違う髪色同士の夫婦から、絶対に赤毛の子供が生まれるんだよ?何代も。それってブーツ家の遺伝が強いって事でしょ?だから将来トラップの子供もきっと、赤毛の子が産まれてくるよね!」
うわぁ!!ちょっと見てみたい!!
ミニトラップだよきっと。
口が悪くって、ギャンブル好きで寝起きも悪いけど、きっと盗賊としての才能はバッチリな子供なんだろうな。
そうトラップに言うと、至上最高のいたずら笑顔で私に言った。
「試してみる?」
おしまい。
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