ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑
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《朝に太陽と》
昼間はたくさんの人が行き交う、この村の大通りも、今歩いているのは俺様一人。
音と空気がどこまでも透明な朝。
まあ、そりゃそうだなと心の中でつぶやきながら、無遠慮な大きなあくびをひとつする。
ちょうど朝日が昇る時間。こんな時間に起きてるやつがいない事を、長年の経験から俺は知っている。
・・・きっと・・・あいつも今頃、幸せそうなバカ顔で寝てるはず・・・。
ちょっと、逢いたい。
そんな考えが浮かんで、一気に顔が熱くなる。
大通りから反れ、家への坂を登りきると、意外な光景が目に飛び込んできて、思わず声が漏れてしまった。
「あ?」
逢いたいと思っていた人物に、予期せず逢えた嬉しさを感じつつも、一抹の疑問が頭をよぎる。
(何やってんだよ、あいつ。こんな時間に。)
家のドアの前には普段着のままのパステルが、ぼーっと空を見上げて突っ立っていた。
(あいつ寝てないのか?・・・そういえば夕べ、続きがどうのとかって言ってたな。)
「あにやってんだよ、こんな時間に。」
「あら?もう帰ってきたの?おかえりなさい。朝帰りさん。」
「うっせぇ。お前こそどこの年寄りだよ!いくらなんでも、早起きしすぎだろ。」
「ふぅーん。あなたは帰りが随分と遅いんじゃない?早く寝ないと今日、辛いわよー。」
「ふああぁぁ・・・。口うるさいばばあには、つきあってらんねぇー。」
(あんま無理すんな。)
心の中でつぶやく俺にパステルは、ふんわり優しい笑顔で、
「はいはい。おやすみ!トラップ。」と笑った。
あぁ。俺はいつもこの笑顔に癒されるんだ。この笑顔が欲しいと思った。
思わずゆるんだ口もとを引き締め、ドアに手をかける。
「ん。・・・おやすみ。」
あえて、そっけなく返事をすると、俺はドアの向こうに隠れた。
ドキドキ騒ぐ心臓を沈めながら考える。
・・・あいつは誰かに癒されるんだろうか。・・・その『誰か』に、いつかなれたらどんなに幸せだろう。
ドアの向こうでパステルの声がする。
「・・・っよし!もう一踏ん張り、書き上げるぞー!!」
いつも前向きなパステルは、まるで、すべてを動かす太陽だと、俺は思う・・・
けど。口が裂けてもあいつには、ぜってー言わねーけどなっ!!
おしまい。
パステルver.→朝日と夕日と
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昼間はたくさんの人が行き交う、この村の大通りも、今歩いているのは俺様一人。
音と空気がどこまでも透明な朝。
まあ、そりゃそうだなと心の中でつぶやきながら、無遠慮な大きなあくびをひとつする。
ちょうど朝日が昇る時間。こんな時間に起きてるやつがいない事を、長年の経験から俺は知っている。
・・・きっと・・・あいつも今頃、幸せそうなバカ顔で寝てるはず・・・。
ちょっと、逢いたい。
そんな考えが浮かんで、一気に顔が熱くなる。
大通りから反れ、家への坂を登りきると、意外な光景が目に飛び込んできて、思わず声が漏れてしまった。
「あ?」
逢いたいと思っていた人物に、予期せず逢えた嬉しさを感じつつも、一抹の疑問が頭をよぎる。
(何やってんだよ、あいつ。こんな時間に。)
家のドアの前には普段着のままのパステルが、ぼーっと空を見上げて突っ立っていた。
(あいつ寝てないのか?・・・そういえば夕べ、続きがどうのとかって言ってたな。)
「あにやってんだよ、こんな時間に。」
「あら?もう帰ってきたの?おかえりなさい。朝帰りさん。」
「うっせぇ。お前こそどこの年寄りだよ!いくらなんでも、早起きしすぎだろ。」
「ふぅーん。あなたは帰りが随分と遅いんじゃない?早く寝ないと今日、辛いわよー。」
「ふああぁぁ・・・。口うるさいばばあには、つきあってらんねぇー。」
(あんま無理すんな。)
心の中でつぶやく俺にパステルは、ふんわり優しい笑顔で、
「はいはい。おやすみ!トラップ。」と笑った。
あぁ。俺はいつもこの笑顔に癒されるんだ。この笑顔が欲しいと思った。
思わずゆるんだ口もとを引き締め、ドアに手をかける。
「ん。・・・おやすみ。」
あえて、そっけなく返事をすると、俺はドアの向こうに隠れた。
ドキドキ騒ぐ心臓を沈めながら考える。
・・・あいつは誰かに癒されるんだろうか。・・・その『誰か』に、いつかなれたらどんなに幸せだろう。
ドアの向こうでパステルの声がする。
「・・・っよし!もう一踏ん張り、書き上げるぞー!!」
いつも前向きなパステルは、まるで、すべてを動かす太陽だと、俺は思う・・・
けど。口が裂けてもあいつには、ぜってー言わねーけどなっ!!
おしまい。
パステルver.→朝日と夕日と
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