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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

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FQ長編SS 第五話です。



《第五話》



「そういえば・・・」


シュリさんの大切な説明を聞いた私たちだけど、精霊やら風の神殿やら。
馴染みの無い世界に今ひとつ、ピンと来ないまま呆けていた。
大切なルーミィの話だもん。
もちろん、きちんと聞いていたし理解しようと努力もした。
でも・・・・まるで、どこか遠い知らない国の物語の様で。



彼の話を全部信じていいのか。



そんな思いがパーティみんなの胸に渦巻く。
そんな沈黙の中、ボソリと呟いたノルの声。
一斉にノルの言動に視線が集中した。
その様子にノルの頬がわずかに染まる。
「あ、あの・・・」
張り詰める緊張感。
「ん?どうした?ノル。気になることがあったら言ってくれ」
そんな緊張感を払拭するように、クレイの柔らかい声と優しい笑顔が部屋中に広がる。
クレイに背中を押されて、一つ頷くとまっすぐ前を見てノルが話し出した。
「実は・・・・少し前にズールの森で聞いた、鳥たちの会話を思い出したんだ。
風屋敷の主人が、どこかの姫君を探しているって言ってた」
決して饒舌ではないノルだけど、彼の言いたい事は分った。
「風屋敷・・・ですか」
キットンがあごに手を当てて、私の隣でふむ。と頷いた。
風屋敷なんて聞いた事ないけどなー。
キットンは知っているの?
新たな疑問に私が頭を悩ませていると、
「・・・・・え?すみません。
風屋敷というのは風の神殿の別名ですが・・・・どうして貴方がそれをご存知なのですか?」
今度は不思議そうな顔でシュリさんがノルの顔を覗き込んだ。
突然シュリさんに覗き込まれたノルは
「え・・・あー・・・えーと」
口をモゴモゴさせながら、大きな身体を小さくした。




「そいつは鳥と話すことができる。今の話じゃ大方、鳥同士の世間話でも聞いたんだろ」
口下手なノルの代わりに、トラップが答えてくれた。
その説明を受けてノルが、ウンウンと頷く。
トラップってば、優しいとこあるじゃない。
そう思ってチラリとトラップを見ると、彼と目が合って、
(なんだよ!?)
という顔をされた。
あはははは。
照れてるな。
(べっにぃー?)
私はトラップに分るように、片眉を少し上げ口元に笑みを浮かべたまま、視線を前に逸らした。
そんな私の態度が気に入らなかったみたい。




ゴツ。



黙って拳が振ってきた。
もう!
からかった私も悪いけど、子供みたいな事しないでよね。
せっかく前に戻した視線をもう一度トラップに向けようとした時だった。



「鳥同士の会話・・・?じゃあ、彼は鳥の言葉がわかると言うのですかっ!?」



シュリさんの声に驚いて顔を上げると、
彼は目を見開き、ソファーから腰を浮かして・・・・・すっごく驚いていた。
「だあら、そうだって言ってんだろうーが」
歯に衣を着せない相変わらずのトラップの言い方だけど、やっぱりシュリさん気にしていないみたい。
そんな事よりも、ノルが鳥と会話出来るという事に驚きを隠せずにいた。
まあ。
驚くよね。
私も初めて聞いた時はびっくりした。
そして、実際にノルと鳥が会話しているのを見て、さらに驚き感動したもんだ。
「のりゅは、とりしゃんとおうたもうたえるんだお!」
ルーミィが嬉しそうに笑う。
「はー・・・・。それは凄いですね。本当に驚きました。機会があれば是非拝見したいものです」
ドサリとソファーに座りなおしながら、シュリさんはしきりに感心していた。
そして
「確かに。風の神殿の事を『風屋敷』と呼ぶ者もおります。
ですので、その鳥たちの会話の姫君と言うのは間違いなく、ファアルウ族のルーミィ姫の事でしょう。
我々は本当に世界中を探し回っていましたから、その鳥たちもどこかで耳にしたのかもしれませんね。
ああ!
ルーミィ姫が見つかって本当に良かった。
さぞかし主人も喜ばれるに違いありません!
きっと、ファアルウ族の行方もわかることでしょう!
さあ!
ご一緒に風の神殿へお連れします!!」



そう興奮気味に話すシュリさんの瞳は、希望に輝いていた。
相変わらず人懐っこい笑顔で立ち上がり、今すぐにも出発しそうな勢いだ。
そんなシュリさんに、慌ててクレイが待ったをかける。
「ちょ、ちょっと待ってください!
風の神殿へ向かうにしても、我々はこれだけの大所帯です。
ですから、いろいろと準備も旅費も必要なのです。
申し訳ないですが、今すぐに出発と言うわけにはいきません」

      ん。
そうなんだよねー。
クレイの言う事はもっともなのだ。
私たちは少し前にクエストから帰って来たところで、しばらくはバイト生活のつもりだったからね。
今すぐ冒険に出掛けられるような準備を何もしていない。
そして・・・・
先立つ物、つまり『お金』も無い・・・・。
話によると目的地のアザリア山脈と言うのは、クレイたちの故郷であるドーマよりもさらに遠いらしい。
シュリさんがいるのでシロちゃんで、ひとっ飛び!・・・と言う訳にはいかない。
乗り合い馬車は高いから、妥当な移動手段はやっぱりヒポちゃんだよね。
でも・・・・・・・定員オーバーにならないかしら・・・・。



そんな心配を他所にシュリさんは相変わらずの笑顔で
「旅費に関しては心配なさならいでください。
こちらからお招きしていますので、全工程分負担させていただきますよ」
なぁーんて嬉しい事を言ってくれたのだ!
「ほ、本当ですか!?」
思わず身を乗り出す。
「パステル・・・」
クレイには苦笑されてしまったけど、仕方ないじゃない!?
パーティのお財布を管理している身としてはさ!
そんな私たちのやり取りを楽しそうに見つめながらシュリさんは言った。
「はい。本当です。主人からもその様に仰せつかってますから。
と言うよりも、普通に行っても風の神殿へはほとんどの方は辿り着けません。
慣れるまでほんの少しだけ大変かもしれませんが、大丈夫です。
きちんと私が責任を持って皆さんをお連れしますから。
風の神殿まで風に乗って!」



第六話

拍手[4回]

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無題

おおおっ!?
急展開ですね♪
驚くシュリさん、何か可愛いです。
まだトラップは信用してないようですが……悪人じゃないと良いな。

風に乗っての旅がどうなるか気になります。
そして、他にもオリキャラ登場かも気になります。
ではまた。
by 明都 URL 2011/05/17(Tue)23:23:51 編集

こんにちはー!

明都さんこんにちはです!
長編SS読んで頂いてありがとうございます/////テレ
シュリさん気に入って頂けましたか?
オリキャラを登場させるって、すっごくドキドキしますね。
どこまでもマイペースを崩さないシュリさんにお付き合い頂けたら嬉しいですv

続きも近々UPする予定ですので、読んでいただけたら幸いですvえへへ
コメントありがとうございました!!
2011/05/18 15:44
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