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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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☆パステルを祝う会 PART7☆


《HAPPY BIRTHDAY!》



もうすぐでお昼ご飯が出来そうな時、突然家の前に大きな馬車が止まった。


「・・・・・・・何事?」
「・・・・・・・さあ?」


隣にお玉を持ったまま飛び出してきたクレイに聞いても、何も解決しなかった。
・・・・まぁ、そう言う私も実はペンを握り締めたままだったりするんだけどね。

どこかの王族や貴族が使っているような立派な白馬の4頭立ての馬車だ。
そんな我がパーティとはまったく縁の無い代物が家の前に止まっている。


「なんだよ?人様んちの前に断りも無くいきなり止めやがって!」
毒づきながらトラップも家の中から出てきた。
「わぁーい!!まっしろなおうまさんらぉー!」
「ほんとデシ!」
ルーミィとシロちゃんの後ろからはノルとキットンも・・・・。
ぞろぞろと家の中からみんなが出てきた。
みんな興味津々!
そりゃそうよね。
すると突然、馬車の扉が開いて中から人が現れた。

とても身なりのいいおじさんは、私達を見渡すと嫌な顔ひとつせずにニコリと笑ってこう言った。

「突然の訪問をお許しください。私、リーザ国第一皇女アンジェリカ姫の側近をしております。
ゲイル・オイルソーと申します。どうぞお見知りおきを。」
そして、深々と頭を下げたおじさん・・・・。
「「「「「「「アンジェリカ王女         !!!???」」」」」」」
失礼にも絶叫する私達を特に驚きもせず、ににこやかに見守っているおじさん。
いやいやっ!
おじさんなんて呼んだら失礼だよ!
えー・・・・と、そう!側近のオイルソーさん!
「それで・・・アンジェリカ姫の側近のオイルソーさんがどう言った御用件でこちらに?」
アンジェリカ姫の側近だと知って慌ててお玉を背中に隠したクレイが聞いた。
うん。
バッチリ見られたたから、今更遅いと思うけどね。
「はい。実はアンジェリカ姫に代わりまして皆さまにパーティの招待状をお持ちさせていただきました。パステル・G・キング様は・・・」
「わ、私です!」
突然呼ばれて背筋がピンと伸ばす。
「こちらがアンジェリカ姫よりの招待状でございます。実はアンジェリカ姫直々にこちらにお持ちしたいと仰ってられたのですが・・・・さすがに王に止められまして。」
オイルソーさんは少し困った顔をしながら、私に分厚い招待状を渡した。
アンジェリカ姫なら言いそうだなぁ・・・。
それにしても分厚い招待状だなぁ・・・・王族からの招待状ってこんなものなのかなぁ。
流石だ。
「あのぅ・・・開けても?」
こんな所で開けていいものか一人思案して、結局オイルソーさんに尋ねた。
「ええ!どうぞ。あまり時間もありませんので。」
・・・・時間が無いって・・・?
「えぇっと、じゃあ失礼します。」
リーザ国の紋章を剥がす。
すると中から手紙の束が出てきたから驚く。
「なに!?もしかしてこれ全部、アンジェリカ姫からの手紙なのー!?」
やたら分厚いなぁと思ってたのよ!
「あの姫さん。手紙でもおしゃべりなんだな・・・。」
トラップが横から呆れ顔で覗き込んできた。
「申し訳ございません。よろしければ一番最後の手紙を読んでくださいましたら、用件が伝わるかと思いますので・・・。」
本当に申し訳なさそうなオイルソーさん。
「一番最後ですか?」
「はい。」
言われた通りに一番後ろの紙を一番前に持ってきて読む。

『そうそう!一番大切なことを伝えてませんでしたわ!
実は、リーザ国で私主催のパーティを行いますのよ。
それで是非、パステル達にも参加していただきたいんです。
馬車も一緒に向かわせますから、是非来てくださいね!
パステル達にお会いできるのを楽しみにしていますわ!』

なんとも一方的な・・・・アンジェリカらしい手紙だった。
「んだけ書いといて、肝心な事はそんだけかよっ!?」
トラップの突っ込みに思わず頷きそうになった。
「はい。そう言うことですのですぐに馬車にお乗りいただけますか?」
私が手紙を読んだのを見届けると、変わらないにこやかな笑顔で馬車の扉を開いた。
「え!?今からですか??」
思わず聞き返す。
今、すぐに馬車に乗れって言ったよね!?
「はい。パーティの開催まで時間があまりございませんので、今すぐにでも出発したいのですが。」
んな、メチャクチャな!
「はいはい!時間がございません!ほら皆さんお乗りになってください!」
ぐいぐいとオイルソーさんに背中を押されて、あれよあれよと馬車に乗せられた。
バタンと扉が閉まって、御者席から
「はい!ではみなさん、出発いたしますよー!」
そう言って馬車は走り出した・・・・。
「う、うそ・・・?」
「俺・・・・お玉持ったままなんだけど・・・・。」
「っつーか。昼飯は?」
「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
客車のそんな会話が外には聞こえてないのだろうか。
馬車は無情にも走り出した・・・・。
リーザ国のアンジェリカ王女を目指して。




*********




「パステルー!!お待ちしてましたわー!!!!」
「アンジェリカ王女!!」
ぎゅうぅううううと私に抱きついて来たアンジェリカ王女は本当に嬉しそうに私達を大歓迎してくれた。
「パーティに間に合って良かったですわ!わたくし、ドキドキして待ってましたのよ!」
「ええぇっと。お招きくださってありがとうございます。遠慮なく来てしまったのですが(というよりも、連れて来られて)良かったのでしょうか・・・?」
だって、アンジェリカ姫のパーティってことは回りは、ロイヤルな方達なんだろうし、そんな中に我々が混ざっていいものなのだろうかと思ってたんだよね。
でも、アンジェリカ姫は
「もちろんですわ!だってあなた達は『アンジェリカのお仲間』ではございませんか!この国の英雄ですもの。わたくしのお友達もとても会いたがっていますのよ!」
「はあぁ・・・。それならいいのですが。」
「わたくし、皆さまの為に素敵な服を用意してましたのよ!さっ!早く着替えてくださいね!」
「い、今ですか!?」
もう・・・なんだかずっと驚いてばっかりで・・・・。
「ええ!だって、パーティは今夜ですもの!!」
なんてこった・・・・。
みんなの顔もげんなりしてる。
そりゃそうだよー。
長い間馬車に揺られてたんだよ?
少しゆっくりさせて欲しい・・・・。
でも。
「さっさ!皆さん、そんなボケーっとした顔してどうしたんですの?時間がありませんから急いで身支度をしてくださいな。」
「・・・・もう、俺何も言う気しねぇ・・・・。」
あのトラップにこんな事を言わせるなんて・・・・・流石、アンジェリカ王女。


そして再び私達は言われるがまま、それぞれ連れていかれて、身支度をする事となった。




**********




「パステルー!!素敵ですわ!!やっぱりパステルには気品がありますわね!」
「あ、ありがとうございます。」
そうお礼をいうと、ぐいぐいとパーティ会場へと連れて行かれた。
もう何も言うまい。
重々しい広間の扉が開いて、キラキラと輝く広間が目に入った瞬間。



パン!パン!パン!


いきなりの破裂音に耳を塞ぐ。
何!?
何が起こったの!?
恐る恐る目を開けると、



「パステル、誕生日おめでとうー!!!!」



そこには見慣れた顔が並んでいた。

クレイ、トラップ、ノル、キットン、ルーミィ、シロちゃん。
ここまでは分かる。
だって一緒に来たんだもん。
でも・・・・
リタやマリーナの顔も見える。
「へ・・・?何で・・・?」                 
「ふふふ!大成功ですわ!パステル、今日が何の日か忘れてません?」
アンジェリカ姫の嬉しそうな顔と会場にいるみんなの顔を見渡す。
「何の日?」
「いやですわ!今日は2月5日。パステル、あなたの誕生日ですわ!」
「そうだっけ・・・?」
「ったく!主役がこれじゃあ、ひと芝居打った俺達がバカみてぇじゃねぇか!」
「トラップの言うとおりですわ!パステル。実はわたくし達はパステルの誕生日を祝う為に集まったのですわ!わたくし主催と言うのは本当ですけどね。」
うふふ。と可愛く笑うアンジェリカ姫。
その後ろに大きく
『パステル誕生日おめでとう!!』
と書かれた垂れ幕が目に映って嘘じゃないと理解した。
「・・・・本当にみんな、私の為に集まってくれたの?」
声が震える。
だってまだ信じられなかったから。
「あったりめぇーだろ!バカ!」
「トラップ・・・・」
「バカはあんたでしょ!パステル!とっても綺麗よ!!誕生日おめでとう!」
「マリーナ・・・」
「パステル。誕生日おめでとう。」
「ノル・・・・」
「おめでとうございます。パステル!」
「キットン・・・・」
「おめでと!パステル!素敵な誕生日パーティにしようね!」
「リタ・・・・」
「ぱぁーるぅ!!おたんじょーびおめれとーだおう!!」
「ルーミィ・・・」
「パステルおねぇしゃん。お誕生日おめでとうデシ!」
「・・・・シロちゃん・・・・。」
「パステル。わたくし、パステルの誕生日を知ったのがつい先日だったんです。それでみなさんにこんなにバタバタとさせてしまって・・・・・申し訳なかったですわ。」
「アンジェリカ姫・・・・いいえ。大丈夫です。」
熱い目頭を押さえて笑顔でお礼を言う。
「パステル?泣くほどいやでしたの?」
アンジェリカ姫の心配そうな顔が覗いた。
「これは・・・・嬉しくって泣いてるんですよ。アンジェリカ姫。素敵な誕生日パーティを開いてくださり、本当にありがとうございます。
みんなに祝ってもらう事が出来て、とっても幸せな気分でいっぱいです!」


相変わらず涙は溢れ出してくるけどいいや!
こんなに嬉しい事はないもんね!


「みんなも!ありがとう!!」
みんなに向けて心からお礼を言うと、嬉しそうな笑顔が広がった。
「よーし!!まずは誕生日おめでとうの歌でも歌うか!」
トラップの元気な声に歓声が上がる。
「わかりましたわ!では皆さん、いきますわよー!!せーっのぉ!」
              

お城のきらびやかな広間の一室。
少し不釣合いな大合唱が流れてる。
でも。
いいよね!
こうしてみんなの笑顔があるんだもの!
そして、私がこの世に生まれた日をこんなにも祝ってくれる人たちがいるだもん!!
心からひとつの想いが溢れ出る。





私、生まれてきて良かった!!!





「HAPPY BRITHDAY  パステル!!」


P.JPG


































この日、広間から笑いが絶える事は無かった。




END

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