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ゆうゆうかんかん 悠悠閑閑

悠悠閑閑へようこそ! 当ブログはフォーチュンクエストトラパス中心サイトです。 二次小説や日記などがメインの ブログ名のまま、のんびり運営です。 よろしければどうぞ!

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《Merry Christmas!》


今日は12月25日、クリスマス!


さむーい体育館でのながーい終業式も終わって、教室に戻るとトラップが声を掛けてきた。
「なぁ。おめぇ、今日はクラブ行くのか?」
「うん!行くよー。トラップも行くでしょ?」
私とトラップは2人とも、弓道部に所属してたりする。
この高校に入学した時、本当はクラブなんてするつもり無かったんだよね。実は。
放課後は全部、バイトに充てるつもりだったから。
でも、新入生クラブ説明会ではじめて見た弓道の袴姿とか、弓を引いている姿にすごく興味を持ってつい、弓道場を覗いてしまったのが最後。
気がついた時には入部していた。
そうそう。
ちょうど、この時にマリーナと友達になったんだっけ。

この時の詳しい話は機会があれば。と言う事で・・・。


「おう。じゃあ一緒に昼飯食うか。」
「そーだね!食堂行く?」
「だな。今日は絶対空いてっから食堂の方がいいだろ。」
今日は終業式だから、いつも混み合ってる食堂もガラガラだと思う。
「うん。お腹すいたー。私さ、終業式の最中もお腹グーグーなっちゃって、どうしようかと思ったもん。」
あはははー。と笑いながらトラップに暴露すると、
「色気のねぇー奴だな!」
と、頭を小突かれた。
もう!
「色気が無くって悪かったわね!それより、ご飯食べに行こう。本当にお腹すいちゃった。」
鞄を持って廊下に出ると、後ろからトラップも私に付いて教室を出て来た。
「・・・本気で色気ゼロ。」
・・・コイツはまだ言うか!!
失礼な事言う奴はほっといて、先にご飯食べに行っちゃうからね!?
「はいはい。置いてくよー。」
こんなのはいつもの事。
そう、トラップの言葉を無視して廊下をズンズン進んで行くと、後ろから必死に笑いをかみ殺したトラップの声が。

「・・・・・・食堂、逆だけど?」


!!!!!!


くるん!
と私は180°綺麗にターンをして、スタスタと急ぎ足で再びトラップの前を通り過ぎる。
自分のほっぺが真っ赤になるのが分かる。
「ぶっっははははっは!!!おめぇ、相変わらずだな!どこ行くつもりだったんだよ!?」
く、くそぉ     !!
今や、トラップの笑い声は廊下に響き渡っていた。
どこ行くつもりって・・・!!
「食堂っ!!!」
そう叫び返した私を今度はトラップがスタスタと簡単に追い抜いていった。
「あっそ。一人で行けるんだな?じゃ、先に行っとくわー。」
「ちょっ!!待ってよ、トラップー!」



********



「・・・・ひどい。本当に先に行くなんて・・・・。」
「・・・・まだ言ってんのか。」
お昼ごはんも終わって弓道場で、トラップに弓に弦を張るのを手伝ってもらいながらぼやく。
あの後、トラップに置いていかれて私は見事に迷子になってしまったのだ。
方向音痴の自分が情けなくって嫌になってしまう。
結局トラップに見つけてもらうまで、一人、校舎をさまよう事になってしまった・・・・・。
「はあああぁ。何か今日良い事無いかなぁ。」
思わずそう呟いた私の言葉に、トラップはピッと眉をあげると、
「今日、おめぇもパーティ来るんだろ?」
と、素敵な事を思い出させてくれた。
「ああっ!そうだった!!」
思わず大きな声で叫んでしまって、「しまった!」と口を押さえるけど時すでに遅し。
弓道場で大声を出すなんて・・・・!!
トラップにも『かけ』(弓を引く時にする硬い手袋)を付けた右手で頭を叩かれてしまった。
ゴツっと鈍い音がする。
「いっ!いたーい。」
痛さを我慢して、小声で呟くと
「うっせぇ。」
と、再びゴツッ!
コ、コイツはー!!人の頭を一日に何度も叩きおって!!
大声を出した私が悪いけど、叩かなくってもいいでしょーが!
キッ!と睨んでやる。

「おめぇ、昨日あんなに楽しみだー!って言ってたくせに、もう忘れてんのか!?」
「うう・・・。そうだけど・・・。」
って、あれ?
昨日リタと話してた時、トラップ寝てたよね?
何で知ってるんだろう?
・・・・・リタに聞いたのかなぁ。
まぁいいや。
バイトに行くまであんまり時間も無いし、時間が勿体無い。
今は弓道に集中しよっと。



2時間ほどクラブに参加して、袴から制服に着替えるとバイトの時間が差し迫っていた。
や、やばい!!
昨日と同じパターンだよ!
バイト先までダッシュで行かなきゃ!!
急いで弓道場に荷物を取りに戻ると、トラップが袴姿のまま私の荷物を持って立っていた。
ええぇっ!!??
何?珍しい。
槍でも降ってくんじゃないの???
でも一刻を争う今、トラップの行動は私にとって、凄くありがたいものだった。
「ありがとう!!トラップ!助かったよ!!じゃあね!」
トラップにお礼を言って早々に荷物を受け取ると、走り出した私にトラップが待ったをかけた。

ええぇーっ!?
時間ないんですけど・・・!
「な、何?」
そう言いながらも、私の足は校門に向かってる。
「お前、今日バイト何時に終わるんだ!?」
トラップが叫んでる。
ああ。
そっか。パーティの事か。
でも、足は止まらない。って言うか止めれない。
じ、時間が!!
一生懸命私も叫び返す。
「9時ぃ     !!」
「じゃあ!今日バイト終わったら・・・・・・!!!」
もう無理!
トラップが何か叫んでたけど時間が限界だった。
「ごめーん!!!バイト終わったら連絡するからー!!あとでねー!!」
それだけ、トラップに向かって必死に叫ぶと私は、返事も聞かずに走り出した。
ごめん!
トラップ!!
続きはパーティの時にでもちゃんと聞くから!!
そう、心の中でトラップに謝りながら。



*********



し、信じられない・・・・。
何でこんな日に限って・・・・。

9時あがりだったはずなのに、忙しくって今や10時・・・・。
もしかしてもう、パーティは終わってしまってるかもしれない・・・・・。
連絡も出来なくってみんな、心配してるかなぁ。


「はあああぁあ・・・。」
やっと仕事も終わって制服に着替えて外に出ると、冷たい風が一気に吹き付けてきた。
「さっ!さぶいっ!!」
なんて寒さなの!?
こんなとこで突っ立ってても風引くだけだよ。
実は・・・・携帯の充電が切れてしまってて、連絡すら出来ない。
誰か迎えに来てくれてるかも・・・なんて甘い考えも浮かんだけど・・・・。
賑やかな街を行き交う人は沢山いるけれど、見知った顔はその中に無かった。
どうしよう・・・。
こんな重ね重ねトラブルが続くなんて・・・・・


「はあああああぁ・・・・。」


何度目かのため息が出る。
みんなの携帯番号は覚えてないし、マリーナの家はどこにあるのか知らないし、リタの店はここから遠いし・・・。
パーティ、行きたかったな。

「はあああああぁ。」
街中は綺麗なイルミネーションに飾られて、カップルや家族の幸せそうな笑い声で溢れている。
なのに、私だけ一人だった。
どうしようもないよね・・・・。
家に帰れば充電器があるし、それから謝りの電話をしよう。
そう決めてキラキラと光り輝く街をひとり、ポツリポツリと家路に向かう。


「さむい・・・。」


吐く息はどこまでも白い。
・・・・こんな事なら、クリスマスパーティに行くなんて約束しなければ良かった。
マリーナ達の笑顔が浮かんでは消えていく。
楽しみにしていた分、行けなくなった落胆も大きいし・・・・。
みんなと過ごすクリスマスはきっと、楽しかったに違いないのに。
本当なら今頃、マリーナの家で笑顔な自分がいたんだろうな。

「はああああぁ・・。」
せっかく誘ってくれたのに・・・・。
今年もひとりぼっちのクリスマスか・・・・・。


つーんと鼻の奥が痛くなった。
(パステル!泣いたら余計に悲しいよ!我慢だよ!!)
必死に自分に言い聞かせる。
泣いても仕方ないって解ってる。
どうしようもない事、誰も悪くないんだ。
でも・・・・・ただクリスマスをみんなと一緒に過ごしたかった。
それだけで良かったのに・・・・。

静かにひとつ、涙が頬を伝って落ちた。





人ごみの中、一人立ち止まって俯いたまま唇をかみ締める。
なんて私は、この街に似合わないんだろう。
みんな幸せそうに笑ってるのに、どうして私は泣いてるんだろう。
どうして私だけ一人ぼっちなんだろう。

ふいに、タッタッタッタ!と大きな足音が聞こえて思わず顔を上げた。
その足音が自分に向かってきてる気がしたから・・・・。


「おとーさーん!!待ってよー!!」


タッタッタッタ!
背の高い男の人が顔を上げた私の横を軽やかに走り去って行った。
そのすぐ後ろから、小さな女の子が笑顔で走ってくる。
「お父さん!待ってってばー!」
女の子のお父さんは私の少し後ろで、笑顔で女の子を待っていた。
「ここまでおいで!」
そう、差し出された手に飛び込んでいく小さな女の子。
お父さんの大きな腕に抱き上げられ、弾けんばかりの笑顔で、幸せそうに笑い合う親子。


女の子の笑顔がずっと昔の記憶の中の自分と重なった。



「お父さん・・・・。お母さん・・・・・。」


我慢できずに声に出して呟く。 
愛しい人を呼んでしまったら、もう・・・・
涙は止まらずにあふれ出し、目の前は一気に霞んでよく見えなくなってしまった。



瞼の裏のお父さんとお母さんの笑顔さえも霞んでいく。






「うっ・・・・。ううっ。いやだよぉ・・・・。」





寂しい。
寂しすぎて、潰れてしまいそう。



もう。
涙を止める気力も、ここから歩き出す元気もない。
ただ、立ち尽くして泣く事だけ。
きっと、すれ違う人たちは物珍しい物でも見るように通り過ぎて行くのだろう。
そうなんだ・・・・。
みんな私を通り過ぎて行ってしまうんだ・・・・・。
私の為に立ち止まってくれる人はもう、この世にはいない。




「ひっく・・・・。ううぅ・・・・やだあぁあ・・・・。」





小さな子供のように大きな声で泣き叫びたくなった。
止めどなく溢れる涙。







「パステルッ!!!」







はっと顔を上げて息を呑む。

「・・・・っ!!」

涙で霞む瞳で必死にその姿を捕らえる。



「トラッ・・・プ?」


私が泣いているのがわったんだろう。
息を切らして走ってきたトラップの顔が険しくなる。

「なんかあったのか!?」

涙を拭いながら
「ううん・・・・。何も無い。だいじょ・・・ぶ。」
そう言って笑おうと思ったけど・・・・・上手に笑えなかった。
代わりに言いながら泣いてしまった。
「・・・・・どうした?」
ぽろぽろと泣き続ける私を心配そうに覗き込むトラップ。
そんなトラップの顔を見ていると、トラップになら素直に話せそうだと思った。


「あのね・・・・」

泣きながらトラップに説明する。
バイトの終わりが遅くなった事や携帯の充電が切れてしまった事。
すごくクリスマスパーティを楽しみにしてたのに、行けなくなってしまった。
そのせいで両親の事を思い出して心細かった事。
トラップは泣きながら話す私の話を辛抱強く聞いてくれた。


「トラップ・・・・私、寂しいよぉ・・・。私、いつも頑張って生きようと思ってここまで来たけど、やっぱり、一人は寂しいんだ。寂しすぎて時々、お父さん達に逢いに行きたくなる・・・・。」


そう言うとトラップは何も言わずに抱きしめてくれた。



ギュッと強く。
まるで、「行くな。」と言うように。


また、ぽろぽろと涙がこぼれる。
痛いほどに抱きしめてくれたトラップの力が、『一人じゃない』と教えてくれる。


「うぅう・・・。とらっぷぅ・・・・・。
でもね・・・・でもやっぱりいつも最後には、この世界で生きてたいと思うんだ。
一人はやっぱり寂しいけどトラップ達と居たら私、心から笑ってられるんだもん。」


きゅっとトラップの体にしがみつくと、更にぎゅっうと抱きしめてくれて。
不意に背中を『ポンポン』と優しく叩いたかと思うと、反対の手で、頭を優しくなでてくれた。

その手はまるでお父さんのように大きくて、力強くて・・・・。


もう一度、涙が溢れ出た・・・・。
トラップがいてくれる。
それだけで私は、小さな子供の様に声を出して泣く事が出来た。






気が済むまで泣き続けた私の頭をポンポンと叩いて、泣き止んだ私の顔を覗くと、
「今からパーティすっから、行くぞ!」
トラップは元気にそう言うと、ぐいっと私の手をつないでくれた。
ニヤッといつもの笑顔のトラップに連れられて人ごみの中をぐいぐい進んでいく・・・。
さっきまで一人じゃ歩けなかったのに、トラップがいるだけでこんなにも心強い。
誰かが傍にいるってスゴイ事・・・・!!!

って・・・・。
「ええぇー!?今から!?もしかしてみんな、待っててくれてるの???」
「みんなで一緒にパーティするっつっただろ?しかも、パーティするって言うだけであんなに嬉しそうな顔して喜んでる奴をほっといてケーキが食えるかっつーの!」
「ケーキも・・・?」
私の返事に不思議そうな顔のトラップ。
「クリスマスにケーキ食わねぇで、どうすんだよ?」
そのあまりに絶対厳守!!的な反応に自然と口元が緩む。
「あははは!何?その自信は?」
トラップとケーキってあんまり似合わないや。
「サンタの乗っかったケーキを食べてこそ、クリスマスだろーが。」
「あはは!サンタって!!それは別に威張る事じゃないでしょう?それに・・・・・・」
「それに、何だよ?」
「私、何年もケーキって食べてないや。クリスマスも、誕生日も。」
「・・・・・・・・・。」


両親が無くなった年のクリスマスからケーキは一度も食べてない。
「ケーキを貰った事はあったけど、・・・・どうしても食べられなかった。」
「・・・・・・・・・。」
「ケーキはね、きっと一人で食べても美味しくないんだと思う。・・・・・みんなで食べるから美味しいんだよね。」
「・・・・・・・・・。」

今は真っ直ぐ前を見て言える。
視線を感じて隣を見ればトラップと視線が合った。
「えへへ。」
そう笑うと、つないでない方の手からデコピンが飛んできた。
「いったぁーい!!」
「ばぁーか!ケーキくらい、いつでも食べれるだろーが。」
「へ!?」
「だあら!ケーキぐらい俺が付き合ってやるってんの!」
「トラップが!?」
信じらんない!
トラップがこんな優しい事言うなんて・・・・。
あまりの驚きに、口をあんぐり開けてトラップを見ていると一気にトラップの表情が険しくなった。
「ふん!もういい。今日の超有名パティシエ特性クリスマスケーキ、おめぇの分は無いからな!今更後悔しても遅いぜ!?」
「うわわわっ!!ごめん!トラップ。違うの!嬉しすぎて固まっちゃったの!!だからクリスマスケーキ、食べさせてください!!」
慌てて謝った私を訝しげに睨んでるトラップ。
そんな視線に負けじと笑顔で言う。
「ありがとね!トラップ、今度一緒にケーキ食べに行こうよ!ね?約束!!」
「けっ。げんきんな奴。」
今度は私がトラップの手を引っ張って走って行く。
「ほらほら!きっと、マリーナ達が待ってるよ!急ご!!」
「なんだよ!?泣いたり笑ったり忙しい奴だな。・・・・ってバカ!俺んちはそっちじゃねぇよ!」
ぐいっとトラップに引っ張られて、勢いよくトラップに激突してしまった。
「いたっあぁ・・・。」
激突したのはトラップの胸で。



ぎゅっ。



へ!?


気がついたら再びトラップの腕の中に捕らわれていた。
あれ?
さっきもこうして・・・・。


ぼっ!!!!


わ、私、さっきもトラップに抱きしめられてた・・・・よね・・・!?
いや!さっきのはきっと私が泣いてたからで・・・・・。
じゃあ、今は・・・?
「ト、トラップー?」
ドキドキして少し裏返った私の声。


「・・・・・約束。」
絞り出した様なトラップの声。
「え・・・?」
「約束。」
「約束?」
「ああ。・・・・今日からおめぇがもういいって言う日まで、誕生日もクリスマスもいつでも一緒にケーキ食べてやるから。約束する。」
「トラップ・・・・・。」
気にしててくれたのだろうか。
抱きしめられたトラップの体温といっしょに優しさで暖かくなる。
「うん・・・。約束。・・・ありがとう。トラップ。」
トラップの上着をきゅっと握る。
さっきよりは少し遠慮がちに・・・・ね。
だって意識しちゃったら急に恥ずかしくなったから。



「んで・・・俺からのクリスマスプレゼント。」
「プレゼント・・・??」
「そ!一回しか言わねぇからよく聞けよ!
「ええっ!!??」
「いいか!?」
「う、うんっ!」


「・・・・・おめぇは一人じゃねぇよ。だから俯くな。ちゃんと前を見て歩いていけ。
たまには振り返ってもいいから、立ち止まってもいいから。必ずその後は自分の足で歩いていけ。
・・・・・・・解ったか?」

「ひっく・・・・うぅうーわかったぁぁ・・・。」
せっかく涙は止まってたのに、トラップの言葉に再度流れ出す。

「んで。泣き虫パステル。泣きたくなったら俺んとこに来い。一人で泣くな。
以上!トラップ様からのありがたーいクリスマスプレゼント!・・・・受け取ったか?」
「うん!・・・ぅひっく。うん!うん!ありがとぅ・・・トラップ!」
泣きながらお礼を言うと、トラップの腕から開放されて、そのままトラップの手が私の頬をはさんだ。 
涙でベショベショの顔を上げられて、トラップと目が合う。
泣き顔の私をにやりと笑うと、

「じゃ、おめぇからのプレゼント貰うわ。」

突然そんな事を言われて、頭が一気に真っ白になった。
・・・・だって私、クリスマスプレゼント用意してない事に気がついたんだもん!!
どうしよう!?
「ト、トラップ!!ごめん!私、プレゼント用意してないよ!!??」
相変わらず、トラップの両手に挟まれたままオタオタし始めた私を更に嬉しそうに見つめて


「大丈夫、ここにあるから。」


そう言ったかと思うと、さらににやりと笑って、
次の瞬間トラップの唇がゆっくりと近づいてくる。




「パステル、生まれてきてくれてありがとう。」




そう耳元で囁いたかと思うと、今まで見たこともない優しい笑顔のトラップがいて・・・・。




また涙が溢れ来る。




それじゃあ、また私が貰っちゃった事になるよ?



そう言って笑うと、



「やっと笑った。」



2人の笑顔が重なる聖なる夜。

きらめく夜空に祈りは降る。

静かにそっと・・・・・。

2人の上に。





Merrry Christmas!


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